富士通は12月17日、大学向けに教材やレポート、テスト、成績、出欠状況など授業関連の情報を総合的に蓄積、管理する授業支援システム「CoursePower V1」を12月20日から販売することを発表した。
日本の大学では現在、ICTを活用する学習環境の基盤として学習管理システム(Learning Management System : LMS)の普及が進んでいる。大学の授業体系は、複数回行われる授業でひとつの科目が構成されていることが一般的だ。従来のLMSは、必ずしもその体系にあわせた運用ができるものではなかったという。
CoursePower V1は、これまでのLMSの機能を強化し、大学の授業体系にあわせて授業単位での総合的な情報管理を実現し、わかりやすい操作性で全学での利用を推進するという。教員や学生が教室や自宅のPCからサーバにアクセスし、授業で提供される教材を学習し、履歴を振り返ることができるため、教材、学習成果、成績評価や出欠状況などの情報を授業ごとに総合的に管理できるものだという。
同製品は、授業の出席受付を携帯電話から行うことができるため、授業運営の利便性を高められるとしている。授業中心に教材が提示されていることから、事前学習や事後学習がよりスムーズにできるという。学習履歴や出席状況が授業単位にまとまっており、教材やレポート、テスト結果などの授業の記録が系統立てて蓄積されていく。学生は授業の進行にともない、自己の学習の振り返り、強み・弱みなどの自己分析などを容易にできるとしている。
レポートの提出期限や延長期間の設定、添削による繰り返し指導、テストの階層問題の出題や解説表示、ディスカッションによるグループ討議など、大学の現場で求められる、さまざまな機能を搭載。教員は学生の学習状況をタイムリーに把握することができ、学生の能力に応じたきめ細かい指導ができるという。最終成績評価を、出席率やレポート、テストの採点結果から、評価基準に基づき自動的に算出する成績評価機能により、蓄積された学習成果の分析を通じて、授業の構成や内容の振り返り・点検が可能だという。過去の授業との比較や良質な教材の流用、ブラッシュアップなどを通じ授業を改善できるとしている。
全学で日常的に使うことを前提に、誰でも簡単に操作できるわかりやすい画面インターフェースを採用。画面遷移数やクリック数の削減など操作上の煩わしさを解消しているほか、現在の操作位置が常に表示されるなど直感的に利用できる操作性を実現したという。対応サーバ環境は「Red Hat Enterprise Linux 5」以降、「Apache 2.0」以降、「Tomcat 6.0」以降、「Oracle Database 11g」。クライアント環境はブラウザが「InternetExplorer 7.0〜8.0」、「Firefox 3.0〜3.6」、「Safari 3.2〜4.0」、OSとしては「Windows」と「Mac OS X」に対応している。
CoursePower V1の提供価格は、システム構成により個別見積もり。富士通では2013年末までに約50大学への販売を目指すという。
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