日本IBM、パスコ、三菱電機の3社は12月15日、高精度の三次元地理空間情報の整備およびその利活用ビジネスを推進するために提携し、協業を進めていくことで合意したと発表した。三次元地理空間情報を活用したソリューションを可能とするシステムを、東南アジアを中心とした世界各国のユーザーにインフラパッケージとして提供していく考え。
交通や環境、防災対策、インフラ保全といったより良い都市づくりの基盤となる「国土地理空間情報(NSDI:National Spatial Data Infrastructure)」の整備は各国で始まっており、特に都市部では、500分の1縮尺地図レベルへの高精度化や三次元化など、情報の高度化が求められている。しかし、従来の地理空間情報の収集は、衛星測量や航空測量の成果をベースに、地上測量や現地調査を行い、高精度化を図る手法が主流で、精度の高いデータの効率的でかつ迅速な取得、情報の更新頻度向上などにおいては課題を抱えていたという。
今回の協業で3社が提供するのは、この地理空間情報収集上の課題を解決するためのソリューション。収集した地理空間情報の活用およびサービスを国や自治体、企業や生活者の視点で想定し、これを実現するソリューションを「三次元地理空間情報インフラパッケージ」として提供する予定だ。
日本IBMは、同社が世界で展開している様々なプロジェクトで得た知見やノウハウを同協業に活かす。パスコは、高精度な三次元地理空間情報を航空機、移動体GPS測量機器「モービルマッピングシステム(MMS)」で収集し、ユーザーのニーズに合わせて処理を行った上で、必要な情報を付加した空間情報として提供する。三菱電機は、移動体GPS測量において絶対位置精度10cm以下を実現するための「電子基準点網」と「FKP方式による測位補強システム」、および、これらにもとづいて高精度な三次元地理空間情報を効率的に取得するMMSを提供する。
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