新入社員向けの教育研修--こんなやり方は避けるべき - (page 2)

文:Toni Bowers(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子2010年12月14日 07時30分

 ここで、筆者がTechRepublicに入社した際に参加させられた、宇宙飛行士でもたじろぐような研修プログラムについて述べておきたい(なお、TechRepublicという会社は決して悪い会社ではないということも、ここで明記しておきたい)。その内容は、会社で使用している1万6000種類ものパブリッシングツールや、プログラミングする必要のある40億種類ものコンテンツフォーム、コンテンツを公開するたびに行わなければならない2万3000にも及ぶタスクといったものだった(これらの数字は多少誇張されているかもしれない。しかし、筆者の感覚ではそれくらいあるように思えたわけである)。

 筆者の参加した研修プログラムでは、大きな流れが示されなかったため、最初はかなり圧倒させられた。筆者は、ものごとがどのようして機能するのかや、どうしてその方法を採用しているのかを知らずに学習することができないタイプである。また、講師の言葉に熱心に耳を傾け、一言一句漏らすことなくノートに書き留めていても、実際に端末を目の前にして作業を行うとなった瞬間、既に説明されていた内容についての疑問が渦巻くタイプでもある。要するに筆者は、大きな流れを知る前に詳細の重要性を知ることができない人間であるというわけだ。筆者の小さな脳に留めておける理論的な知識の量には限りがある。知識を確固たるものにし、その本当の意味を理解するには、実際のものを目の前にする必要があるのだ。

 筆者が講師に対して勧めるのは、概念からスタートし、詳細は後で説明するというスタイルである。また、社員自身もまず自らの学習スタイルについて把握しておくのがよいだろう。

 社員が筆者のような人間である場合、教育研修では最初に企業の目的や、部門間の連携について説明するのがよいだろう。また、担当する仕事の一覧を渡し、それを具体的なタスクに分割して説明するというやり方も喜ばれるはずだ。さらには、該当タスクを他の社員が実行するさまを見学してもらうのも効果的だろう。ここまで書けば、大体のイメージは掴んでもらえるはずだ。

#4:OJTに任せてしまう

 この項目については本来、説明する必要もないはずだ。新入社員に対して教育研修を実施せず、その社員が活躍しなかった場合、あなた自身にも非があると考えてよいはずだ。その社員が前の会社でヘルプデスクを担当していたとしても、それだけであなたの会社のやり方を知っていることにはならないのである。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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