ソーシャルゲームを開発する米Zyngaの日本法人ジンガジャパンは12月1日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」向けに第1弾ゲーム「ファームビレッジ」を提供開始した。友達と協力しながら農園を育てていくゲームで、モバイル版mixiから利用できる。
ジンガジャパンのオフィスで開かれた記者会見には、同社代表取締役のRobert Goldberg氏のほか、ソフトバンク代表取締役の孫正義氏、ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏らが登場した。
ZyngaはFacebookユーザー向けに「FarmVille」や「Mafia Wars」などのソーシャルゲームを提供している。全ゲームの合計月間アクティブユーザー数は2億1000万人に達し、2位のEA(4100万人)、3位のDisney(3400万人)に大きな差をつけている。FarmVilleだけを抜き出しても月間5400万人に利用されているという圧倒的な存在だ。
またZyngaのゲームのユーザーは世界のネット人口の10%に達するという。Yahoo!やTwitterのような世界的なネットサービスと肩を並べる規模に成長している。
「Zyngaはほかのゲーム会社と比べて5倍の大きさがある。たとえばEAやディズニーなど20社ほどの競合があるが、それらをすべて合わせてもZyngaの方が頭1つ飛び抜けている」とGoldberg氏は語った。
Zyngaは2007年の設立。いまではゲーム制作スタジオ数を世界中に17以上開き、6カ国、13カ所にオフィスを構える。従業員は1400人に増えた。ミッションは「世界をゲームでつなげること」だ。
「Zyngaの方針はソーシャルファースト、ゲームセカンド。友達や家族とのコミュニケーションを促進する機能が特徴で、かつてEメールなどが果たしていたのと同じ役割を果たす」(Goldberg氏)
ネットワーク越しに一緒にゲームをプレイする相手は実際の友達であって、ネット上でのみ交流するバーチャルの友達ではないという。友達と協力してゲームの中で作物を収穫したり、レストランを経営したりするなど、人と人とのつながりが重視されており、Mafia Warsの中でプロポーズしたというユーザーもいるそうだ。
Goldberg氏はFarmVilleを日本向けにリメイクしたファームビレッジについて、「過去最大、そして最も有名なゲームが日本に上陸する」とそのインパクトを語った。
「スーパーマリオブラザーズ、ポケモンは過去にかなりの数のユーザーにプレイされたゲームだが、FarmVilleをプレイした人数には劣っている」(Goldberg氏)
ファームビルは実際の友人とのコミュニケーションを軸としたゲームであるため、当面はmixiにのみ提供するという。「mixiにフォーカスするのは1番大きなソーシャルプラットフォームだからだ」とGoldberg氏は語った。
ミクシィの笠原氏は「Zyngaはコンセプトであるソーシャルファースト、ゲームセカンドは、実際の友人とのコミュニケーションをもとにプラットフォーム化していくというミクシィの方針に合致している」と述べ、今後も協力体制を敷いていくことを表明した。
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