Gartnerの最新予測によると、世界のPC出荷台数は2010年、2011年ともに増加するという。ただし、「iPad」をはじめとするタブレット製品の影響が大きな要因となり、見通しは数カ月前ほど確実なものではなくなってきているようだ。
2010年のPC出荷台数は、2009年から14.3%増の3億5240万台に達する見込みだという。しかしこの数字は、Gartnerが9月に出した前回予測から下方修正となっている。前回は、2010年の出荷台数を前年比17.9%増としていた。
増加の流れは来年も続き、2011年のPC出荷台数は2010年から15.9%増の4億900万台に達するとGartnerは見ている。しかしこの数字も、9月に出した18.1%増の予測に比べて下方修正となった。
Gartnerは予測を下方修正した理由として、iPadなどのメディアタブレットがPC市場を侵食していることを挙げている。
「これらの結果は、消費者需要の減退が予想されることから、短期的な出荷台数の成長が著しく低下する見通しを受けてのものだ。この状況には、iPadなどのメディアタブレットに対するユーザーの関心が高まっていることが少なからず影響している。より長期的に見ると、2014年までにPC出荷台数の10%前後がメディアタブレットに取って代わると予想される」。Gartnerのリサーチディレクターを務めるRanjit Atwal氏は、米国時間11月29日付けの声明でこのように述べた。
2010年4月の発売以来、iPadは驚異的なセールスを記録しており、最初の3カ月弱だけで300万台を売り上げた。Bernstein Researchのアナリストは、iPadの全世界での売上高は2010年に120億ドル、2011年には200億ドルにのぼると予想している。また一部アナリストの間では、iPadがノートPCの売り上げを侵食している、あるいは今後侵食することになるとの見方が出ている。
タブレットだけでなく、携帯電話を軽量データ利用機器としての補完的なモバイル製品、さらには完全な代用品として使用する人が増えるにつれて、スマートフォンもPCの出荷台数に影響を及ぼすことになると、Gartnerは予想している。ただし、タブレットやスマートフォンに対する需要の高まり以外にも、PCの出荷台数低下にはその他さまざまな要因が影響しているようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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