デニムかジーパンか、揺れるファッション情報を統一データ化--ヤフーとZOZO提携で共同事業

鳴海淳義(編集部)2010年11月24日 18時16分
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 ヤフーとスタートトゥデイは11月24日、ファンション関連事業において業務提携することを発表した。両社は提携により、ファッション製品データベースの整備、ECサイトの連携、ファッション関連メディアのプロデュース、ファッション製品の2次流通を共同で実施する。

  • 同じ商品でもサイトごとに掲載情報がこれだけ違う

 ファッション製品データベースは、Fashion Data Base(FDB)事業と呼ばれる。スタートトゥデイが運営するECサイト「ZOZOTOWN」で取り扱う製品情報をはじめ、国内で流通するファッションブランドの製品情報も集めて、日本最大級のデータベースを構築するのが目的だ。これまでファッション製品は、それを取り扱うサイトごとにばらばらのフォーマットを持っていた。書籍やCD、家電のように統一された規格がないために、色の呼び方や採寸の方法もサイトごとに異なっており、販売時に、ユーザーが戸惑うケースも多々あった。

 スタートトゥデイ代表取締役の前澤友作氏がアパレル製品商品の困った例として挙げたのは次のようなものだ。デニムパンツとジーパン、カットソーとロングTシャツ、レギンスとスパッツ。綿100%とコットン100%、チャコールグレーとダークグレー。すべて同じものだがサイトごとに呼び方が異なるのが実情だ。

 FDB事業ではスタートトゥデイがブランド側から一括で採寸や撮影を請け負い、データベースとして保有する。ブランドがほかのECサイト経由で商品を販売する際は、スタートトゥデイのFDBから情報提供を受けることになる。これにより、ブランド側は販売チャンネルごとに採寸、撮影のコストを払わずに済み、ECサイト側も同様の手間を省ける。ユーザーはどこのECサイトでも同じ写真、同じ基準で採寸された商品が閲覧できるため、利便性は増すと考えられる。

 他のECサイトやメディアがFDBのデータを使う場合の料金は当面は無料だという。ただいずれは課金も検討している。「将来的には成功報酬でいくらかいただければと考えている。商品が売れたときに多少いただくという形にしたい」と前澤氏は話した。

 ECサイト間の連携により、今後はZOZOTOWNの商品がYahoo! ショッピング上で検索可能となる。Yahoo! ショッピング経由で商品をクリックするとZOZOTOWNにページが遷移し、そのまま購入された場合にはスタートトゥデイからヤフーに一定の紹介料が支払われる仕組みだ。ヤフーは自社ECサイトの掲載商品を大幅に増やすことができ、スタートトゥデイは商品の露出先が拡大する。双方にとってメリットのある連携だとしている。

 ファッション関連メディアではヤフーが運営する情報サイト「Yahoo! FASHION」を共同でプロデュースする。FDBに加え、ファッション店舗情報サイト「ZOZONAVI」に掲載されている約5000店の情報、約15万件のファッションスナップデータなどをヤフーに提供し、Yahoo! FASHIONを刷新する。またヤフー検索でファッション関連のキーワードで検索した際に、合致するものがあればZOZOTOWNの商品の画像が検索結果に表示されるようになる。

 2次流通に関する連携は具体的にはYahoo! オークションでの取り組みを指す。ただ現時点では特に決定した事項はないという。前澤氏は「2011年後半には何かを発表したい」と述べるにとどめた。

 ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏はファッション関連事業について、「EC事業を始めたころ、ファッションは一番向いていない商材と言われていた。それでもファッションはオークションなどで大きな位置を占め、いまでは商品の特性がECに向く、向かないを超えて、消費者から支持されている分野になった」と話した。

 「一方でまだまだ消費者にとってわかりにくい部分が多いし、売る側からみても使いにくい部分が多い。スタートトゥデイが問題を解決するために前向きな取り組みを進めているので、ぜひヤフーとしても相乗りし、ともにまだまだ拡大するファッションECを開拓していこうというのが今回の提携の主旨。提携によりメディア、EC、データベースまで一貫して取り組んでいけるのは、我々にとっても大きなチャンスだ」(井上氏)

ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏(左)とスタートトゥデイ代表取締役の前澤友作氏ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏(左)とスタートトゥデイ代表取締役の前澤友作氏
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