既存の殻を打ち破る--IT部門の幹部に贈る4つのティップス

文:Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子2010年11月24日 07時30分

 筆者はここ数年、「ブレークスルーIT」、すなわち「ITの既存の殻を打ち破る」というコンセプトを提唱している。このコンセプトにおいて、テクノロジは企業の目標を達成するための戦略的な投資であり、他の部門投資と同様、期待通りの結果を出すためには緻密さと熱意が必要となるものである。ブレークスルーITというコンセプトを実現するために行うべきことについては拙著『Breakthrough IT: Supercharging Organizational Value through Technology』(ブレークスルーIT:テクノロジを通じて組織の価値を高めるには)で詳しく述べている。

 ほとんどの組織、特にIT関連のような知識集約型の業務を担う組織は、適切な人材なしには立ち行かないはずだ。これは、ブレークスルーITを目指している組織に対して特に言えることだろう。本記事で紹介している4つのティップスは、筆者の近著『Breakthrough CIO's Companion』(ブレークスルーCIOガイドブック)で紹介しているものである。この書籍において筆者は、ITに携わる人々向けの時間管理術からミーティング管理術、IT組織における戦略的能力の獲得方法に至るまでのさまざまなアドバイスを提供している。あらゆるレベルのIT関係者について言えることであるが、彼らは残念なことに、プロフェッショナルな能力開発機会を十分に与えられていないのである。書籍や記事などで、部下を育成するために人事面や金銭面の援助を惜しまない面倒見の良いマネージャーと置き換えることはできないものの、自らのレベルを向上させるうえで役立つ智恵を見つけ出せるはずだ。

時間管理とミーティング管理--電話を活用する!

 われわれ、特にIT業界に身を置く者は、電子メールに頼りすぎるようになっている。電子メールは素晴らしいコミュニケーション手段であるものの、使用に適さないケースや、問題を解決するどころか新たな問題を作り出してしまうケースもある。あなたの周りでも、電子メール上でのいがみ合いを見かけたことがあるのではないだろうか?2人の人間が電子メールを用いて問題や意見をやり取りしていくなか、互いに攻撃性を増していき、それぞれが同報相手を追加しながら、行動をエスカレートさせていくという状況である。普段は思慮分別のある人がこういった行動をとる原因は筆者にもよく分からないが、互いにどんどん狭量になっていく、あるいは愚かになっていくような電子メールを15分もかけて書き上げるのではなく、問題を明確にするために電話で5分間話すようにするだけで、こういった状況に陥ることはまずなくなるはずだ。

 同様に、2人だけで話し合いたいという場合や、電子メールでは誤解が生じるおそれのある問題を話し合う場合には、電話という昔ながらのツールが最適なソリューションとなることもしばしばある。部下が「この件に関しては、彼に対して2週間も前に電子メールを送っていたのに!」という不満の声を上げた際には、電子メールでのやり取りを続行して不満を抱え続けるよりも、電話で話をする方がはるかに適切なソリューションになるということを優しく思い出させてあげるとよいだろう。それによって、驚くべき成果が得られる場合もあるはずだ。

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