ウェブブラウザ「Firefox」の開発元であるMozilla Foundationは米国時間11月18日、2009年の年次報告書を発表した。売り上げは前年の7800万ドルから34%増の1億400万ドルとなった。
Mozillaによると、収入源は依然として検索事業における提携だという。最大の売り上げをもたらすのはもちろんGoogleだが、Mozillaは具体的な比率を明かさず、Googleによる売り上げをYahoo、Yandex(ロシアの検索エンジン)、Amazon.com、eBayによる売り上げと一括して示した。
2008年に更改され、2011年まで続くGoogleとの契約により、MozillaはGoogleから一定の検索広告収入を得ることになっている。Mozillaは、同社のブラウザにGoogleの検索エンジンを組み込むことによってGoogleへの検索トラフィックを後押ししている。今ではGoogleも独自のブラウザ「Google Chrome」を擁するが、Mozillaは全体としてこの財務上のアイデアに満足していることを示唆した。
「近い将来においては、引き続き検索プロバイダー各社がMozillaにとって強固な収入源になるとわれわれは考えている」と、MozillaはFAQの中で述べた。
売り上げが伸びたとはいえ、経費(人件費とコンピュータ機器への支出が大部分)も2008年の4900万ドルから2009年には6100万ドルに増加した。Mozillaは企業ではなく(監査報告書に記載された米国税庁(IRS)の調査に関する注記を参照)、ミッションを掲げた非営利の組織という形態を採っており、Mozillaの会長を務めるMitchell Baker氏によると、「Mozillaはインターネットの仕組みの中で、個人の力、コントロール、機会を増大させるために存在する」という。同氏は、こうした評価について次のように述べている。
インターネットへの関与と力の強化を築き上げる取り組みにおいて、Mozillaは優位にあるわけではない。われわれと同じ頃に創業した大手企業各社がしのぎを削るインターネットの各層に、われわれの価値を組み入れていくことは大きな挑戦だ。Mozillaはこれまで常に、この種の課題に直面してきた。われわれは自ら掲げる目標が不可能だと誰もが「わかっていた」時代、つまりMicrosoftが無敵だった頃に事業を始めた。現在、Mozillaはこれまでにないほど強くなった。オンライン体験の新たな側面にオープン性と選択肢をもたらすという、われわれがいま手にしている機会は前例のないものだ。
具体的な数字で言えば、Mozillaによると現在、Firefoxユーザーは4億人以上にのぼり、日々のアクティブユーザーは1億4000万人に達しているという。また、モバイル向けFirefoxなどの取り組みも拡大させているとMozillaは述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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