キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)とEMCジャパンは11月17日、企業向けコンテンツ管理システム(ECM)のドキュメントキャプチャソリューションで協業することを発表した。紙文書電子化の業務フローを効率化することを狙う。
EMCのキャプチャソフトウェア「Captiva InputAccel」にキヤノンの日本語光学文字認識(OCR)エンジン「Rosetta-Stone-Components」を組み込んで2011年4月から販売する。Captiva InputAccelは、紙文書のスキャニングデータに加えて多種多様なデータを取り込むことが可能という。基幹系システムや業務アプリケーションと連携させることで、活用までの業務フローを効率化して、コスト削減が実現できるとしている。Captiva InputAccelはこれまでに世界で1万2000社に導入されているという。
Captiva InputAccelにRosetta-Stone-Componentsを組み込むことで、紙文書管理で必要とされていた人手による仕分けや入力などの作業を簡略化して標準化できるようになるとしている。スキャンした画像の補整や帳票の認識、手書き文字や活字文字のOCR処理、インデックス入力などが自動化され、業務フローごとにカスタマイズできるという。
キヤノンの複合機「imageRUNNER ADVANCE」シリーズやドキュメントスキャナ「imageFORMULA」シリーズなどの入力機器と組み合わせて、金融や製造などを中心に販売していく。金融では銀行や信用金庫、損保、生保がメイン。手形や保険申込書、印鑑照会用届出印などの紙文書の電子化に活用できるとしている。製造では図面管理や品質保証管理、生産管理、設計開発などの各部門で活用。図面や作業基準書、設計仕様書などを対象にしている。
従来、紙文書の電子化は部門や業務単位でのシステム運用が展開されており、ほかの部門が抱える文書へのアクセスが煩雑となっていた。個別最適の状況であるため、文書の管理体系が統一されておらず、部門ごとにセキュリティレベルがまちまちとなるのが一般的だった。
個別最適から全体最適への流れとして、現在は全社共通の文書管理システムが導入され、文書の保管や配布も単一リポジトリ化されるようになりつつある。こうしたシステムでは、管理体系が統一化されるとともにセキュリティレベルも統一されるようになってきている。今回両社が提供するソリューションは、そうした状況に対応することを踏まえたものとなっていると説明している。
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