「仮想化は事実上の標準になっている」:米ヴイエムウェアCOO - (page 2)

田中好伸(編集部)2010年11月09日 20時52分

 そのテレビ番組は、毎週視聴者からアンケートを採っているのだが、そのアンケートシステムを構成するには30日かかっていたという。これが仮想化技術を活用することで1日でシステムを構成できるようになっている。30日かかっていたものが1日で終えられるようになっていることで、ビジネスとしてのメリットをもたらすことができるとNielsen氏は説明する。

 (3)のIT as a Serviceという最終段階では、ビジネスに俊敏性をもたらすことができると説明する。この段階では、仮想化技術を活用して、必要なシステム能力をいつでも活用できる状態にある。ビジネスを展開していく上で急にシステムの処理能力を大幅に必要になったとしても、いつでも対応できるようになっている。この段階では「設備投資を削減できるだけでなく、運用コストも削減できるようになっている」(Nielsen氏)。

 Nielsen氏は、このように仮想化技術を活用してクラウドコンピューティングを実現できると主張する。それは「ITの新時代」(Nielsen氏)といい、「クラウドコンピューティングはITサービスの提供と利用に変革をもたらす」ものだと強調する。

 仮想化技術とクラウドがもたらすメリットは、この数年で大きく注目されるようになっている。しかし企業の現場でIT部門を率いる最高情報責任者(CIO)は現実に何を思っているのか。そのことについてNielsen氏は、GartnerによるCIOの優先事項調査を挙げている。この調査は、CIOが重要視している技術やビジネス課題を調べているものだが、2009年段階の結果では、仮想化は3位、クラウドは14位だった。これが2010年になると、仮想化が1位、クラウドが2位という結果になっている。Nielsen氏は「驚くべき飛躍だ」と言い表している。

 クラウドコンピューティングといえば、知名度の高さからどうしてもGoogleやAmazon.comといったパブリッククラウドのことを思い浮かべてしまう。「クラウド化が進めば、世界のコンピュータは5つの巨大なクラウドに集約されていくと言った人がいるが、それは違うだろう」とNielsen氏は、パブリッククラウドだけがクラウドではないと説明する。企業内でのプライベートクラウドとパブリッククラウドを連携させたハイブリッドクラウドが企業には向いているとNielsen氏は主張する。

 導入コストが低く、必要に応じてシステム処理能力を導入できるパブリッククラウドは確かに魅力的だ。しかし、プライベートクラウドには独特のメリットがある。セキュリティや法令順守(コンプライアンス)、サービス品質といったものを制御できるというメリットがあるし、容易に統合を図れるというメリットもある。そうしたパブリックとプライベート、それぞれのメリットをあわせて利用できるハイブリッドクラウドの方がよりメリットを享受できると説明している。

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