2010 International CESで初めてデモンストレーションが行われた「Wi-Fi Direct」仕様が、Wi-Fi利用の世界に参加する新たな一歩を踏み出した。
Wi-Fi製品の相互運用性を保証するための試験と認証を手がけるWi-Fi Allianceは米国時間10月25日、Wi-Fiベースのデバイス間接続が可能な製品について、「Wi-Fi CERTIFIED Wi-Fi Direct」の認証を開始したと発表した。
従来のWi-Fiクライアントでは、アクセスポイントと呼ばれる中心地点に接続したのちに、おのおのの「インフラストラクチャ」モードで互いに接続できるようになる。ほかには、「アドホック」と呼ばれるモードで互いに接続することもできるが、その接続距離とスループット速度は限られている。
これに対してWi-Fi Directでは、アクセスポイントを利用せずに、インフラストラクチャモードと同じ速度と距離でWi-Fi機器を互いに接続できる。また、プッシュボタン方式で機器の接続が可能になる「Wi-Fi Protected Setup」規格を利用することで、さらに高速の接続を確立できる。つまり、Wi-Fi Directを利用すれば、Wi-Fi製品をBluetooth機器とほとんど同じように接続でき、しかもBluetoothより速度も距離もはるかに大きくなるというわけだ。
この柔軟性の高さによって、Wi-Fi Direct機器は日常的な利用シーンで不便を感じさせていた部分を解消することになる。たとえば、コンテンツの共有、同期、印刷、ゲームなどの機能を利用できる機器同士は、どんな場所でも直接接続できるようになり、アクセスポイント機器を携帯する必要はなくなる。
Wi-Fi Allianceによれば、Wi-Fi CERTIFIED Wi-Fi Direct製品のもう1つのメリットとして、従来のWi-Fi CERTIFIED機器と連携することで、小型のアクセスポイントとしての役割を果たし、既存のWi-Fi製品を接続できるようになる点を挙げている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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