三洋電機は、兵庫県加西市に太陽光発電システムやバッテリマネジメントシステムなどを整えた環境配慮型工場「加西グリーンエナジーパーク」を竣工した。徹底した省エネ、CO2排出量削減を図り、次世代型の工場を目指す。
三洋電機代表取締役社長の佐野精一郎氏は「加西の地を、三洋電機エネルギービジネスの拠点としていく。加西グリーンエナジーパークは三洋電機のエネルギー技術の粋を集め、関連する技術者の努力の結晶であることをご理解いただきたい」と話した。
加西グリーンエナジーパークは、HEV(ハイブリッドカー)用のリチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの生産を担う。約18万8000平方メートルの敷地内に、HEV工場のほか、管理棟、蓄電池棟などが建つ。
環境配慮型と呼ばれるのは、工場内に太陽電池パネル、リチウムメガバッテリシステムを導入し、創エネ、蓄エネ環境を整えていること。そして、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を整備することで、徹底した省エネを実現しているためだ。三洋電機では約50億円を投資し、これらのシステムを構築したとしている。
太陽電池パネルは管理棟や工場の壁面、屋上に約5200枚のモジュールを設置。年間1080メガワットアワーの発電量が期待できるとしている。こうして作られたエネルギーを、リチウムメガバッテリシステムに蓄電し、バッテリマネジメントシステムによって充放電を制御することで、効率よくエネルギーを活用している。
省エネに関する取り組みでは、管理棟、工場、厨房、売店などに、EMSを導入。ネットワークカメラを使用することで、人数や人の有無を検知し、空調や照明をきめ細かく制御できるとしている。
三洋電機では、工場内の設備を大型蓄電システムの実証実験として広く提案していくとのこと。今後は、太陽電池、2次電池、HEV用電池に続く4本目の柱として大型蓄電システムを育てていく。これにより2015年には大型蓄電事業で1000億円レベルの売上を目指すとしている。
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