シーゲイト、株式非公開化を検討中

文:Larry Dignan(ZDNet.com) 翻訳校正:湯本牧子、福岡洋一2010年10月18日 12時18分

 Seagate Technologyが再び株式を非公開に戻すことを検討している。タブレット人気が高まる中で、HDD市場が痛みを伴う変化に直面する可能性があることを考えると、このタイミングでの非公開化は大いに納得がいく。

 Seagateは短い声明文の中で、同社が株式を非公開化するかもしれないとの報道を認めた。Seagateは「株式非公開化について、取引の意図を提示する予備的な書類を受け取った」という。Bloombergは、TPG CapitalとKohlberg Kravis Roberts(KKR)がSeagateの買収に関心を示していると報じた。

 Seagateは2000年、ITバブル崩壊の直前に200億ドル規模の複雑な取引により株式を非公開にした。非公開化したことで同社は株式市場から一時避難し、市場に吹き荒れる嵐を乗り切ることができた。

 今回、Seagateの取引はタイミングの良さを示してもいる。その理由は、同社がPC市場とHDDに大きく依存しているからだ。タブレットなど新たな形状の機器が躍進するにつれて、PCの売り上げは減速している。問題は、タブレットがHDDを搭載しないことだ。

 Barclays CapitalのアナリストであるBen Reitzes氏は、Seagateが株式の非公開化を求める背景にある根本的な理由を強調する。

 われわれは、HDD事業が日々変化する長期的問題に直面していると考えている。HDDを使用しないタブレットやスマートフォン機器は、予想より速いペースでPC市場を侵食しているようだ。2008年におけるネットブックの台頭は懸念材料に過ぎなかったが、今回のタブレットの問題は現実の脅威かもしれない。その結果、われわれが確信を持って数四半期先の予想を立てることが非常に難しくなっており、まして数年先の予想となるとさらに困難な状況だ。

 Reitzes氏は、SeagateがWestern Digitalより優位にいるとして、次のように述べている。

 見通しについて言えば、Seagateはデスクトップやモバイル機器に比べて価格の高い企業向け製品において力強さを維持している(Seagateの総出荷台数の14%を占める)ため、PC関連の弱点やNANDベースのタブレットによるノートパソコンへの侵食の一部を吸収するうえで、Seagateは依然としてWestern Digitalより有利な立場にいる、というのがわれわれの見解だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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