筆者は、おべっかを使い、偽りの褒め言葉を言ったり、問題に対して偽りの関心や懸念を示す部下を好む上司が実際にいることを知っている。上司がこのタイプであり、このゲームに乗るだけの忍耐があるのなら、あなたは権力を得られるだろう。しかし、そういったことに乗せられない上司に対しては、おべっかを言っても侮辱することになったり、怒らせたりするだけだ。
・・・周りの人にはその仕事は馬鹿げている、あるいは不公平、非現実的などと言ってまわる。もちろん、命じようとする作業やプロジェクトを説明している上司に、不満そうな顔を見せたり、言い争ったりはしたくないだろう。あるいは、上司に対して無分別に弱音を言ったりしたくもないはずだ(上述の項目2を参照)。しかし、正直な意見を言うことや、特定の仕事に合理的な問題があるとわかっているのなら、それを指摘することは構わない。心配があれば最初に話しておき、その懸念に正当性があると思うのなら、妥協や譲歩を引き出すよう働きかけた方がいい。ただ微笑んでうなずいておいて、自分の席に戻って隠していた憤りをため込むべきではない。
この問題の別のバージョンは、与えられた仕事を引き受け、それをどう処理するよう求められているかを完全に理解していながら、引き受けた後は自分の好きなように料理するというものだ。これは、意図的なものかもしれない。どうすべきかは分かっており、馬鹿げた指示には従わずとも、自分は上司よりも要件やクライアントや技術についてよく知っていると傲慢に思い込んでいる結果だという場合もあるだろう。あるいは、あなたは言われたとおりにやるだけの経験や資源を持ち合わせておらず、ぶっつけ本番で片付けようとしているのかもしれない。どちらのアプローチもうまくいかない。前者の場合には、あなたは反抗的であり、信頼できないと見えてしまう。後者の場合、あなたは無能を晒すことになる。
これは、悪い状況をよく見せようとすることや、上司が聞きたがっていることを話すということよりは、一歩踏み込んだ状況を指す。これは本物のうそ、例えば虚偽のデータを示す、自分のミスを認めない、欠勤に対して言い訳をでっち上げる、遅れているプロジェクトに言い訳をするといった場合のことだ。上司はほぼ間違いなくそのうそを見抜き、最初から正直に話していた場合よりも、問題ははるかに大きくなってしまうだろう。
あなたがやると言ったことを本当にやるかどうか信頼できないとなると、上司には大量の仕事が降りかかることになる。あなたが打ち合わせに現れない、作業を最後までやらない、解決策を示しておいて実行しない、仕事をやりかけで帰る、クライアントのニーズを無視するといったことをやっていると、上司はいつもあなたの仕事の進め具合を見張り、後片付けをし、被害対策を講じなくてはならない。
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