プログラマーらで構成されるあるグループが、OpenOffice.orgから分岐した。OpenOffice.orgは、Microsoftの「Office」に競合するオープンソースプロジェクトで、OracleはSun Microsystems買収時にこれを傘下に収めている。
Document Foundationという名の同グループは米国時間9月28日、「LibreOffice」というソフトウェアのベータ版のダウンロード提供を開始した。同グループはOracleに対してOpenOfficeの商標を譲渡するよう要請しているが、Oracleが参加しなくても活動を続けていく意志を表明している。
同グループは声明で「将来のオフィス生産性スイートを構築するためにこのプロジェクトに参加し、フレンドリーでオープンな新しい環境でコード作成に貢献してくれる開発者と、ソフトウェアを翻訳、テスト、文書化、サポート、および促進してくれるボランティアを募集する」と述べた。
Oracleはどうしたのだろうか。Oracleは「OpenOffice」の主要なプログラマーらを引き受け、今でも同プロジェクトの著作権を所有しているはずである。Document FoundationはOracleについて、ついてきたければもちろんついてきてもよいとの態度だ。
「OpenOffice.orgの商標はOracle Corporationが所有している。今後、法的な問題などが解決したあかつきには、Oracleがこれを、コミュニティのために管理する他の資産とともに、Document Foundationに寄付してくれることをわれわれは希望する。しかし、それまでの間、われわれは活動を続行しなければならない」と同グループはFAQで述べた。
細かい点はさておき、今回の動きはまた1つ、Sunから獲得した資産に対するOracleの対応が、オープンソース推進派からの支持を得ていないことを表している。OpenSolaris Governing Boardは、OracleがUNIX OSに関連するオープンソースの取り組みから撤退したことを受け、解散した。オープンソースのJavaやMySQLのプロジェクトが今後どうなるかについては、現在のところやや不透明である。
Oracleにコメントを求めたが、回答はなかった。
しかし、他の組織は、Document Foundationを喜んで支持する意志を表明している。
同団体の発表によると、Ubuntu、Red Hat、およびNovellは、LibreOfficeを自社のLinuxディストリビューションに加える予定であるという。Linuxはこれまで、プログラマーや技術に精通している人々以外の影響をあまり受けてこなかったが、これらの組織からの支持は、LibreOfficeが少なくとも何らかの力を発揮する上で、重要なものとなる。
Document Foundationは、Googleの支持も取り付けている。GoogleはDocument Foundationへの参加を表明している。また、Free Software Foundationの会長として、フリーおよびオープンソースのソフトウェアに向けた動きを促進するための、多くの知的および実践的な基盤を固めたRichard Stallman氏は、「LibreOfficeの開発者とOracleに勤務するOpenOfficeの開発者が、協力してコードの主要部分を開発できるようになること」を同氏は望むと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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