不況時代をチームで乗り切る--集中力と積極性を維持する5つの戦術

文:John McKee 翻訳校正:石橋啓一郎2010年08月18日 08時30分

 「やる必要のないことを、効率的に行うことほどの無駄はない」

 これは、有名な経営学者、Peter F. Drucker氏が言った言葉だ。わたしは数週間前、あるクライアントとその人物の部下の成績について議論し、効率的であることと効果的であることの違いについて話し合っていたときに、この言葉を使った。後者は、結果を出すために何をしていけばいいかということであり、一時解雇があふれる時代には特に重要なことだ。

 チームメンバーのやる気と実績を最高の状態に保つことは、今の時期には特に難しくなっている。あなた自身が押しつぶされていると感じていたり、仕事が難しくなり続けていると思えるとしたら、チームメンバーたちの一部もおそらく同じように感じているだろう。彼らが自分自身の職や、請求書の支払いや、愛する人の運命について心許なく思っていれば、最高の仕事をするのは難しい。そして、効果的な仕事ぶりが損なわれていれば、人員削減や給与の削減につながり、さらに事態を悪くしてしまうという皮肉な状況が起きる可能性もある。

 チームのメンバーが最高の状態で働けるようにすることは、当事者全員にとって利益となる。ここでは、さまざまな業界や組織の強力なリーダーが用いて成功している、いくつかのベストプラクティスを紹介しよう。あなたやあなたのチームが新しいアプローチを用いる際には、この記事で説明するヒントのいくつかを自分の管理術の道具箱に加えておくことを勧める。

1.自ら実践して示す

 あらゆる行動と言葉で、チームのメンバーにメッセージを送る。あなたがより多くのものを捧げているところを見せれば、他のメンバーを刺激し、同じことをするよう後押しすることになるだろう。逆方向にも同じことが言える。リーダーが恐れや不満を見せれば、チーム内で同様のことが起こるのを後押しすることになる。

2.役割定義よりも、目的を共有することに重点を置く

 人的資源が少なくなってきている今こそ、何を主要な成果とすべきかを再検討すべきときだ。直接的な影響を与えるものは何で、今すぐにできることは何だろうか。もっとも重要な目的に、チームのできるだけ多くのメンバーを関わらせた方がよいだろう。もし、それが従来の職務定義に合わないものであったとしてもだ。

3.切迫感を維持する

 個人とチームの両方のゴールを、目前に据え、集中力を維持する。成果と業績を広報し、伝える。特に人員削減を行う必要があったが、残る各メンバーには最適な水準の成果を求める場合には、これが重要となる。「最高」ではなく「最適」と言ったことに注意して欲しい。後者はよい経営慣行だが、前者は燃え尽きや消極性につながる。

4.個人の貢献を評価する

 スポーツチームは特定の選手が大きな違いを生むという事実をはっきり認めており、それらの選手を適切に評価している。「チームの業績」の話だけをしていると、最高のメンバーはかえって意欲を失い、「標準」までレベルを下げてしまう。

5.不確実性を減らすため、ガイドラインを提示する

 自分のチームは正しいことをしてくれるはずだと信用するのはいいが、不確実性の高いこの時代には、最高のチームメンバーでさえ不適切な判断をする場合がある。メンバーが定期的なチームの打ち合わせで、ゴールや、新たなアプローチや過去成功したアプローチ、望ましい成果を頻繁に見直すことができるようにすべきだ。

他のヒントは?

 リーダーであるということは、管理職であるということ以上のことだ。共感、やる気、そしてスキルが必要とされる。しかし、そうあろうとする努力にはそれだけの価値がある。逆境で自分のチームをスムーズに機能させるために、あなたはどういうアプローチを取っているだろうか。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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