富士フイルムは8月16日、提供するサービス「Keitai Remote メールアクセス」で活用しているドキュメント画像変換技術「GT-Document」のAPIをシステム開発者向けにトライアル環境で公開を開始したことを発表した。
GT-Documentは、文書ファイルの各ページを同社が運営するサーバ上で高速、高精細なJPEG画像に変換して、携帯電話などのモバイル端末の画面に最適化して自動的に圧縮、配信する技術。今回は、ユーザー企業自身、携帯電話のほかにiPhoneやXperiaなどのスマートフォン、iPad、PCなどの端末向けドキュメントビューアの開発に利用できるAPIを無償で公開する。同社は商用サービスを12月から提供する予定だが、今回の無償提供は現行版のAPIをより多くの企業に試用、評価してもらうことを狙ったものだ。
対応するドキュメントはWordやExcel、PowerPointのほかにPDF、富士ゼロックスのDocuWorks、画像ファイルとしてJPEGやPNG、GIFにも対応している。今後は、CADデータなどのさまざまなフォーマットに対応していくとし、現行より高精細な表示にも対応していくとしている。富士フイルムでは、GT-DocumentのAPI公開で、たとえば保守管理業務のマニュアルやフローチャート、建物の設計図などの図面、営業マンのカタログなどの活用方法があると想定している。
個人情報や機密情報の漏洩リスク低減のため、社外へのドキュメントやPCの持ち出しを禁止する企業が存在し、社外からの情報の活用促進とセキュリティ強化の両立が多くの企業にとって大きな課題になりつつある。また、各種モバイル端末でドキュメントを閲覧する際には画面表示に時間を要したり、スクロールなどの動作が遅いなどの問題が指摘されている。富士フイルムでは、それらの課題や問題を解決できるものとしてKeitai Remote メールアクセスを開発。その事業展開を進めていく中で、ドキュメント画像変換技術のGT-Documentも活用できるものと考え、今回のAPI公開に至っている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」