ソニーは7月29日、2010年度第1四半期(4〜6月)の連結業績を発表した。テレビ、ゲーム機などコンシューマー機器、ネットワーク機器が好調で、営業利益は670億円の黒字になった。
売上高は前年同期比3.8%増の1兆6610億円、税引前利益は2009年4〜6月期が329億円の赤字だったが、この4〜6月期は789億円の黒字、純利益も371億円の赤字から257億円の黒字に転換した。
増益を牽引したのは、テレビ、デジタルカメラ、半導体などを含むコンスーマー・プロフェッショナル&デバイス(CPD)分野と、ゲーム機、PCなどを有するネットワークプロダクツ&サービス(NPS)分野。CPDでは液晶テレビの販売台数増により、売上高が前年同期比7%増の8895億円、営業利益は同89億円の赤字から501億円の黒字に転じた。
一方NPSは、PCの販売台数増に加え、ゲーム機「プレイステーション 3」(PS3)が、ハードとソフトともに売り上げを伸ばし、増収となった。売上高は前年同期比32.4%増の3259億円、営業利益は38億円の赤字となっており、前年の4〜6月の367億円の赤字から縮小している。
執行役EVP CFOの加藤優氏は「2009年の後半から商品的にいいものが出てきた。その勢いを継続させ、現在は少し攻めていきたいという体制になっている。資金的にも余裕があるとは言えないが、攻めに入れる状況になってきた」と現状を話した。
2009年後半から登場したヒット商品として挙げられたのは、レンズ交換式デジタルカメラ「NEX-3/5」、スマートフォン「Xperia」など。さらに、3Dに関しては「3Dテレビだけでなく幅広くやっていきたい。映画やゲームなどコンテンツも持っているので、3Dがマーケットとして立ち上がるようにしたいと思っている」と3D関連製品をトータルでカバーするとした。
地上デジタル放送モデルへの買い替え、エコポイントなどの追い風がある液晶テレビに関しては「日本の市場は期初の想定を若干上回っている。ただし、エコポイントなどのベネフィットがなくなれば、影響は出てくると思う。それを補ってあまりあるだけのよい商品を出していきたい」(加藤氏)と話す。
注目の集まる電子書籍は「iPadの登場で動きが出てきた。米国においては製品によっては値下げが始まっており、これは市場が広がってきているということだと思う」としている。
ソニーは、5月に発表した通期業績予想の営業利益を前回予想時から13%増の1800億円、税引前利益を21%増の1700億円、純利益を同20%増の600億円へと上方修正した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果