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解説:日立がうたう「次世代都市実現への貢献」を裏付ける100年の重み - (page 2)

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 また、日本原子力研究所向けの臨界プラズマ試験装置や、中国の製鉄所向け分塊工場設備のほか、カナダのマイカ発電所に導入した大型水車ランナーは、カナディアンロッキーの断崖を削り、97日間をかけて運び込んだという事例もある。最近では、南アフリカ共和国で「超臨界圧技術」を採用した80万kWのボイラーを12基受注したのをはじめ、世界各国に石炭火力事業を展開するといった実績もある。

 鉄道関連では1922年、蒸気機関技術を有していた日立が、鉄道省に8620型蒸気機関車を納めたのを皮切りに、1924年には59t大型電気機関車、特急「つばめ」などに利用された蒸気機関車C62型などのほか、最近では、鉄道発祥の地である英国において、ロンドンとアシュフォードを結ぶCTRL(ドーバー海峡トンネル連絡線)で、高速鉄道用アルミ製車両の「Class395」を29編成174両の規模で納入。保守までを担当する鉄道総合システムインテグレーターへと成長している。

 さらに、中国・無錫の空中華西大楼における分速600メートルという高速エレベータの導入をはじめ、アジア・中東諸国でエレベータ、エスカレータ事業を展開。NASAには、データ長期保存用のストレージシステム「Hitachi Content Archive Platform」を導入し、国家資産レベルのコンテンツ保存を行っているという実績もある。

中西宏明氏 日立製作所、執行役社長の中西宏明氏

 中西氏の「日立は、モノづくりによって時代を支えるイノベーションや、日本の成長に貢献してきた。都市、国家レベルの社会インフラプロジェクトをパッケージとして一括提供できる数少ない企業だ。環境、エネルギー/資源、都市化、水不足、格差、セキュリティといった、より複雑で高度な課題に対して、サスティナブルな取り組みが求められる世の中こそ、日立の強みが発揮できる」という言葉は、こうした100年に渡る社会インフラへの貢献、経済成長を支えた実績という裏付けがあればこそのものだ。

 中西氏は「今後100年に向けた日立の姿勢」として、「スマートグリッド、次世代交通システム、グリーンモビリティ、インテリジェントウォーター(水道)の4点から、よりスマートな次世代都市の実現に貢献していく」とした。

 実は、こうした日立のビジョンと似た概念を表す言葉として、IBMが現在、大々的に提唱している「Smarter Planet」「Smarter Cities」というものもある。こちらは、IBMの持つ技術とノウハウを生かして、地球上に存在するあらゆる問題の解決を図り、世界をより「スマート」にしようというコンセプトだ。

 だが、日立の大きなアドバンテージは、スマートな次世代都市を実現するための社会インフラ事業をも、自ら持っている点だ。その意味では、経験に裏付けされた強みが日立にはあると言える。

 日本IBM社長の橋本孝之氏は、「日本IBMは、社会インフラそのものという点では実績がないが、その分野に強い企業と手を組むという選択肢もある。日本IBMの守備領域や立ち位置を明確にし、共創の考え方を持ち込めば、間違いなくやれると思う。例えば、日立とはIT分野では競合しているが、別の部分では手が組める部分もあるだろう。そこにIBMが持つ知見が生きる」と語っている。

 この領域で日立とIBMが手を組むかはどうかは定かでない。だが、社会インフラ事業における長年の実績が、今後生まれるであろう「次世代都市」の実現を支える役者としての「主役の条件」に当てはまることは確かだ。日立は、その最短距離にいると言っていい。

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