サンフランシスコ発--Facebookの「Like」ボタンを、同社が運営していないウェブサイトでもよく見かけるのは、Facebookの「Open Graph」のおかげだ。Facebookのモバイル製品部門のトップで、かつてGoogleの携帯電話「Nexus One」の製品マネージャーを務めたEric Tseng氏は、MobileBeat 2010で聴衆に対し、将来Open Graphがモバイルに対応することを明かした。
このことは何を意味するのだろうか。簡単に言えば、Facebookが同社のOpen Graphプラグインをモバイル分野のパートナーへ公開することで、より多くのFacebookソーシャルツール(例えば、先述の「Like」ボタン)が、独自のソーシャルネットワーキングツールを持たない無関係のモバイルアプリケーション上で利用できるようになる、ということだ。
Tseng氏は講演の中で、さらに興味深い使用例を示した。それはモバイルマーケティングを中心としていた。モバイルマーケティングはモバイルテクノロジに関するあらゆるサミットでよく取り上げられるテーマだ。Tseng氏は、Facebookの友達の既存ネットワークからアグリゲートされた友達のレコメンデーションと、位置情報連動広告を結びつけるシナリオを描いた。顧客を店内へ呼び込むためのクーポンなどのプロモーション情報をプッシュ配信する位置情報対応アプリが、友達の思考や現在地も組み込めるようにするのが狙いだ。こうすることで、スパムのような強引な販売促進活動と受け取られかねない広告に、コンテキストやパーソナライゼーションの要素を追加できる。
FacebookのTseng氏は今後の具体的なスケジュールは明かさなかったが、Open Graphの公開は継続的なものになる予定で、主に「iPhone」や「Android」の開発者向けのFacebookキットへのアップデートとして公開されると述べた。同氏は聴衆に「この機能を皆さんのアプリケーションに組み込む作業をぜひ今日から始めてほしい」と話した。
Tseng氏の開発者に対する訴えが何かを示しているとしたら、それはFacebookが1億5000万人のモバイルユーザーという現在の支配をさらに拡大する手段として、Open Graphに期待を寄せているということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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