2010年にはいって、Hillary Clinton米国務長官はワシントンD.C.で演説し、インターネットの自由を称揚し、中国を批判して注目を集めた。その数週間後には議会内でGlobal Internet Freedom Caucus(インターネットの世界的自由を求める議員会派)が結成された。
しかし中国政府は特別な配慮を示さなかった。Clinton長官の演説以降も中国は国としての検閲方針を再確認しており、オンラインの地図プロバイダーにはライセンスの取得を求め、画像を中国内でホスティングするよう義務づけ、「foursquare」を遮断し、メディア企業に対して新たな規則を発表している。また、6月末にはGoogleは、中国の姿勢のせいで検索作業の一部を香港へ移す方法について再考せざるを得なくなった。
むしろ中国のインターネットへの規制はこれまで以上に強固なものになっている。3月にGoogleが中国で利用できるサービスの一覧を毎日掲示するようになったとき、携帯およびウェブの検索は十分利用可能だったが、7月初めにはどちらも部分的に遮断されている。
先週米国の一部政治家が、公的な非難と貿易制裁という昔ながらの2つの方法を用いることで、インターネットを規制している中国などの国に圧力をかけ、よりよいネット社会の一員にしていくことを狙いとする法案を提出したことを明らかにした。
米国時間7月1日に提出された法案「One Global Internet Act」(PDF)は、連邦政府に海外における「第1級」のインターネット上の懸念を特定することを求める。そのうえで、米通商代表部(USTR)に、1974年通商法に基づく調査を始めるように命じる。同通商法は制裁措置や報復措置の法的根拠となるものだ。
USTRによると、1974年通商法301条は「外国の行為が不合理もしくは差別的で、米国商業に負担を課したり制限したりする」場合に、報復措置を認めているという。問題の程度がはなはだしい場合には、報復措置は強制力を持つ。
「オープンで真にグローバルなインターネットの保護は、米国政府にとって最優先事項であるべきだ」と、シリコンバレーの中心部を含む選挙区から選ばれたZoe Lofgren下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は語った。Lofgren議員の法案の共同提案者には、7人の民主党議員に加え、バージニア州選出のBob Goodlatte下院議員を含む2人の共和党議員が名を連ねている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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