無線データトラフィックが爆発的に増加するにつれ、Wi-Fiは以前にもまして、移動体通信事業者によるモバイルブロードバンドサービス提供戦略の主要部分になりつつある。
通信事業者にとってWi-Fiの重要性が高まっていることを示す兆候として、米国における携帯電話会社の大手2社であるAT&TとVerizon Wirelessは米国時間6月21日、Wireless Broadband Alliance(WBA)に加わった。WBAは2003年以来、通信事業者のWi-Fiネットワークにおける相互運用性の推進に取り組んでいる団体だ。
WBAは、全世界における商用Wi-Fiローミング標準の開発と実装を行っている。その仕組みは、WBAのメンバーが顧客のログイン認証情報を共有し、ローミングを許可するというものだ。消費者は既存のユーザー名とパスワードを使用して、他の通信事業者が所有するWi-Fiホットスポットにログインし、アクセスできる。
「iPhone」のような機器の使用を通じてモバイル無線データトラフィックが増加の一途をたどるにつれ、各国の通信事業者のネットワークは圧迫され始めている。Verizon Wirelessなど多くの通信事業者は、次世代4G無線ネットワークへのアップグレードを進めている。これは問題の一部を軽減する助けにはなるものの、データ利用はきわめて急速に増加しており、世界中の移動体通信事業者は、こうしたトラフィックの一部をオフロードする(追い出す)のに役立つとしてWi-Fiに注目している。
Verizon WirelessのWBAへの加盟は、同社がこれまでトラフィックのオフロードにWi-Fi技術を用いることにあまり乗り気でなかったことを考えると、いくぶん意外だ。むしろVerizon Wirelessは、自社ネットワーク向けに販売するスマートフォンでWi-Fi機能を無効化していた。しかし近年、同社はWi-Fiについて考えを変えたようだ。2009年には、Verizon Communicationsがブロードバンドサービスの一環として、「FiOS」の一部の契約者に対し、同社のWi-Fiホットスポットに加えてBoingo Wirelessが提供するホットスポットにも無料でアクセスできるようにすると発表した。
それとは対照的に、AT&Tは、2万カ所以上に及ぶ同社のWi-Fiホットスポットを消費者が使えるようにする取り組みを強力に推し進めてきた。同社は、米国でiPhoneの独占販売権を持つ通信事業者であり、自社ネットワークにおける無線データサービスの需要に後れを取らぬよう苦闘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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