三菱電機と独SAP AG(SAP)は6月16日、製造現場から経営までのエネルギーを計画的に管理し、製造業の省エネルギーを効率的に推進するソリューションの共同開発に合意したと発表した。
FA制御機器分野で実績を持つ三菱電機は、製造現場を起点とした経営改善をめざし、生産情報とエネルギー情報を可視化することにより、省エネや企業のTCO(総所有コスト)削減と品質向上を支援する「e&eco-F@ctory」をコンセプトにエネルギー管理技術に注力推進している。一方のSAPは、「SAP Perfect Plant」という構想の下、世界各国に広がる製造業の生産現場において、生産管理と経営分野の可視化をサポートするソフトウェアによって、効率化とコスト削減を支援してきたという。
今回の共同開発では、工場の生産情報とエネルギー情報を“見える化”する三菱電機のe&eco-F@ctoryソリューションと、製造業向け統合ソフトウェアである「SAP MII(SAP Manufacturing Integration and Intelligence)」および工場の製造現場における部材、製品、設備、作業者など、さまざまな情報を統合する製造実行システムMES(Manufacturing Execution System)を直接連動させるという。これにより、製造現場末端の多様なデータやエネルギーデータを、途中のシステムで分断することなく結び付け、生産管理者や経営層がリアルタイムで閲覧できるようにするととともに、企業全体での計画的なエネルギー管理、およびその“見える化”を実現するとしている。
三菱電機とSAPでは、工場での経営や生産管理システムが将来クラウド化されることも視野に入れ、2010年内に新ソリューションの本格的な提供を目指すという。
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