設立されてからまだ短い歴史の中で最も激しい論争にさらされた数カ月を経て、Facebookは多くのユーザーに、個人的な情報をどこまで公開するかを簡単に選択できる機能を発表しようとしている。
インターネット上で2番目に人気の高いウェブサイトであるFacebookは、この数週間、プライバシー擁護派から嘲笑され、米国議会の一部の議員からも非難を浴びていた。こうした状況から、Facebookがユーザーデータを徐々にさらけ出すようになった様子をインタラクティブな画面で分かりやすく示すページや、プライバシー設定をチェックするツールが登場し、また、否定的な見方が広がって株式公開時の価値が下がるのを恐れる従業員たちの間で不協和音が生じているとの報道もある。
Facebookの広報を担当するAndrew Noyes氏は米国時間5月21日、修正は「近々」行われることを認めたが、具体的な日付は明らかにしなかった。「われわれに寄せられるメッセージは非常に明確だ」と、同氏は語った。「ユーザーは正確で包括的な管理ができることを評価するが、単純で使いやすいものにすることも望んでいる。またユーザーは、われわれが開始した新しいプログラムを気に入っているが、アプリケーションやウェブサイトで個人情報の共有をオプトアウトするための、単純で容易な方法も求めている」
Facebookが注目され始めたのは、4月に開催された開発者カンファレンス「f8」でパートナーサイトとのさらに密接な連携を含む発表を行ったことに端を発しているが、懸念は長期にわたって積み重なってきたものだ。廃止に追い込まれた広告プログラム「Beacon」や、ユーザーにより多くの情報を公開するよう求めた2009年12月の最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏の見解をめぐって、また、Facebookが一部のデータを広告主と共有していることが2010年5月20日に明らかになり、プライバシーに関するポリシに抵触するのではないかと騒がれたことなど、何度も抗議の声が上がっている。
米CNET Newsが21日に公開したFAQページを含め、ユーザーがFacebookアカウントを完全に削除する方法について、アドバイスを求めるようになるのも当然だ(こうした懸念を取り上げるFacebookグループさえ存在する)。
今週にも公開される予定の新しい管理方法は、個人情報の管理を懸念するユーザーが容易に利用できるよう簡単なものにする一方、もっと詳細な設定を求めるユーザーにも対応していく、とFacebookは述べている。Facebookのプライバシー設定の手助けとなるロードマップを掲載したThe New York Timesの記事も、改訂が必要になることは間違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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