カリフォルニア州マウンテンビュー発--Googleの幹部らは、米国時間5月13日開催の同社年次株主総会で、Google従業員との電話連絡が困難だという不満以外に、株主から反感を買うことはほとんどなかった。
多くの株主が出席した同総会の司会を務めたGoogleの会長兼最高経営責任者(CEO)のEric Schmidt氏は、コンピューティングの世界に対する同社の全般的なビジョンを概説し、出席者からの質問に答えた。今回の総会での正式な決議に特筆すべきことはなかった。Googleが提出した3件の提案が承認され、株主による3件の提案が否認された。
Schmidt氏は、Googleの主要事業に関して簡単に説明し、ディスプレイ広告を「おそらく弊社の次の巨大事業だろう」とした。それでも、Googleはソーシャルネットワーキングやユーザー生成コンテンツの爆発的普及によって発生した膨大な量の情報に対処する試みを続けており、同社の最初(そして、唯一)の巨大事業である検索は現在も非常に活発だ。
Schmidt氏のプレゼンテーションに続き、共同創業者のLarry Page氏、製品管理担当バイスプレジデントのSusan Wojcicki氏、検索製品およびユーザー体験担当バイスプレジデントのMarissa Mayer氏、最高財務責任者(CFO)のPatrick Pichette氏、ゼネラルカウンシルのKent Walker氏がSchmidt氏に加わり、出席者からの質問に答えた。出席者には、Googleの実験的な光ファイバネットワーキングプロジェクトの対象地域として、自分たちの都市を選んでもらえるよう同社に働きかけている数人のメンバーも含まれていた。
AppleとAdobeの確執が今話題になっているモバイルテクノロジに関して、Schmidt氏は「われわれは既知の興味深い標準を全てサポートする」と約束した。Googleは来週のGoogle I/Oカンファレンスで、Adobeの「Flash」プレーヤーが動作する次期版「Android」のデモを行う見込みとなっている。Appleは、「iPhone」でのFlashプレーヤー対応を拒んでいる。さらに、Schmidt氏によると、GoogleはAndroidが最終的に、同社による「オープン性」への取り組みに基づいた、1番目か2番目に人気のあるモバイルプラットフォームになると考えているという。
しかし、何人かの株主はGoogleのIR(投資家向け広報)部門が電話に出ないことを批判した。もちろん、Googleは同社のIR資料の多くをウェブサイトで公開しているが、株主はボイスメールが延々と繰り返されることに対する不満を訴えた。Googleのテクニカルサポートを求めている人々も、同様の問題に遭遇している。おそらく、これはGoogleのようなウェブに深く関わり合っている企業を象徴する問題なのだろう。
株主の1人は、どうすればGoogleの検索インデックスはFacebookやAppleのような企業が設置した壁の内側にあるコンテンツにアクセスできるのだろうか、という質問をした。Schmidt氏はこれに対し、「最初に行うべき建設的なことは、あなた方がそうした企業に対して、システムをオープンにするようお願いすることだ。そういう人が増えれば、現状を変えることができるかもしれない」と答えた。しかし、Facebookユーザーは先ごろの変更を受けて、開かれたネットワークと閉じられたネットワークの間のバランスについて懸念を抱いている。
それでも、株主は概ね満足している模様だ。Googleの株価は2010年の最高値からは下がっているが、それでもここ何十年かで最悪の不況時に開かれた2009年の株主総会時と比較すると大幅に上昇している。そして、検索事業を香港に移動することによって、中国での検索結果の検閲を停止したGoogleの決定は、Amnesty Internationalの関係者から賞賛された。同団体は過去に、Googleが中国で検索結果を検閲する決定を下したことを批判していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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