2009年末になって回復し始めたPC業界は、2010年第1四半期に入ってもその勢いを持続させることができた。
米国時間4月14日に発表されたIDCの「Worldwide Quarterly PC Tracker」によると、2010年第1四半期、全世界のPCの出荷台数は前年同期比で24%増加の7910万台だった。これで前年同期比で2けた台の増加が2期連続したことになり、コンピュータ業界が、2008年後半から2009年の大半の期間にわたって続いた壊滅的な状況から回復に向かっていることを示唆する数字だ。
IDCのアナリストLoren Loverde氏は第1四半期について「(2009年の)第4四半期が非常に好調だったので、急ぎの需要については、この時期に対応が済んでしまっている恐れがあった。第4四半期のこうした需要のほとんどは、一般消費者(から)のものだった。販売チャネルがいまだに在庫を抱えているとの懸念もあり、ホリデーシーズンの販売促進策も終わったことから、一般消費者や小規模企業の購買担当者は前四半期ほどの購入はしないように思われた」とし、「通常、第4四半期から翌年の第1四半期にかけては季節要因による出荷台数の減少があるものだが、今回はそれがなかった」と述べている。
つまり、従来とは違い、小売店は既に手元にあった在庫をさばくことができたうえに、さらにそれを上回る販売実績をあげているということだ。PCメーカーについて、良いニュースはこれだけではない。4月13日にはIntelが第1四半期決算を発表し、ノートPC向けプロセッサの力強い需要により、営業利益が前年同期比で400%以上の急増を見せたと報告している。
確かにノートPCは成長分野ではあるが、第1四半期のより大きな驚きはデスクトップPCが伸びたことだ。この数年、一般消費者向け市場ではノートPCがデスクトップPCを上回っており、デスクトップPCは米国や日本のような成熟した消費者市場でそれほど人気がない。しかし、中国やインドなどの新興国では今、デスクトップPCの需要が伸びている。IDCによれば、第1四半期、ノートPCは39%、デスクトップPCは7%の伸びを見せたという。
小企業と大企業の両方を含む企業顧客も、デスクトップPCを購入するケースが多い。この分野では数期にわたり低迷が続いたものの、企業も従業員向けのPCを新しく購入できる状態になりつつあるようだ。
「現在は企業向け(需要回復)の初期段階にあると言って差し支えがないと思う。ここ1、2年は、他の優先事項や資金繰りのためにこうした支出のほとんどが抑制されている状態が続いていた」とLoverde氏は言い、「今はわれわれも成長についてより楽観的な見方ができるようになった」と展望を語った。
「Windows 7」が市場に投入されたことも、企業の設備更新を促進する要因になっている。「大きな企業(顧客)にはまだ早いが、規模が比較的小さい企業は購入を始めているかもしれない」とLoverde氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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