Microsoftの「Office」チームのメンバー数人が米国時間4月27日、「Office 2010」の完成版を届けるために米CNETを訪れ、同社がベータ版以降に加えた変更点について話した。
はっきり言うと、4月に入ってから開発が完了したこのバージョンは、約750万回ダウンロードされたパブリックベータ版からそれほど変わっていない。Office 2010完成版の全エディションは、企業向けに5月12日、消費者向けに6月にリリースされる予定となっている。
ベータ版からの最も顕著な変更点は、おそらく「Outlook」の新しいカンバセーションビューがデフォルトで無効になったということだろう。
MicrosoftのグループプロダクトマネージャーであるChris Bryant氏は、「カンバセーションビューがいくつかのケースで上手く機能するのは明白だ」と述べた。「しかし、それが全てのユーザーにとって必要な機能でないことも、はっきりしている。われわれは、カンバセーションビューを必要とするユーザーに同機能を見つけて、有効にしてもらうことにした」(Bryant氏)
筆者の意見を言わせてもらうと、カンバセーションビューは少なくとも試してみる価値はある機能だ。不満点がいくつかあることを除けば、筆者はこの機能を新しいOutlookの最も便利な改善点の1つだと感じている。
ほかに変わった点としては、Microsoftはファイルメニューの命名法を変更し、「Share」(共有)を「Save & Send」(保存して送信) に変えた。
「ユーザーは、『share』(共有)の意味することを分からなかった」とBryant氏は述べる。
この名称変更は、Office 2010の初期のテスト版ではOfficeロゴによって置き換えられていたファイルメニュー自体を復活させるという決定に続くものだ。
Microsoftは共同オーサリングについて新しいものではないと話しているが、筆者は同機能に関する説明を受けて、驚きを感じた。「Word」ではコラボレーションを行っているときでも、任意の段落を一度に編集できるのは1人のユーザーに限られる、ということは筆者も知っていた。筆者が知らなかったのは、Wordと「PowerPoint」の共同オーサリング機能はデスクトップアプリケーションのみで提供され、6月に公開予定のブラウザベースの「Office Web Apps」ではサポートされないということだ。
このことは、「Google Docs」で最も人気の高い使用法の1つであるコラボレーションのシナリオの一部に対抗しようとするMicrosoftの取り組みにとって、痛手となるのではないか、と筆者には思える。
ブラウザベースのOffice Web Appsについて説明しておくと、消費者は6月のOffice 2010のリリースとほぼ同時期にOffice Web Appsを利用可能になる見込みだ。企業ユーザーは、新しい「SharePoint」をサーバにインストールすることで、既にOffice Web Appsを利用可能だ。Microsoftによる企業版Office Web Appsのホスティングを求める場合は、2010年に「SharePoint Online」サービスが2010年版へ移行するまで待つ必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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