日本オラクルは4月21日、SaaS型CRMアプリケーションの最新版「Oracle CRM On Demand R17」の提供を開始した。外出先での営業活動を支援する「Oracle CRM On Demand Sales on the Go」などの新機能を備える。
Oracle CRM On Demandは、営業やコンタクトセンターなど、顧客との接点に関する業務を包括的に支援するSaaS型のCRMアプリケーション。2006年に米Oracleが買収したCRMアプリケーション企業、Siebel Systemsの技術を元にしている。
新たに搭載されたOracle CRM On Demand Sales on the Goは、営業担当者が顧客企業に行った際などに利用することを想定している。アプリケーション内でプレゼンテーション資料が開けるようになっており、どのページをどのくらい表示したか、といった履歴が自動的に記録される。これにより、マネージャーが各営業担当者の営業活動の内容を把握でき、適切なアドバイスができると日本オラクルでは説明している。
スケジュール機能も備えており、訪問先の顧客情報や過去の訪問履歴なども一元管理できる。Adobe SystemsのAIRで動くため、直感的な操作が可能とのことだ。
売上予測を管理する機能「Oracle CRM On Demand Forecast」の機能も強化した。会計年度や期間を柔軟に設定し、売上金額や製品量など多角的な軸による売上予測ができる。また、各自が設定した時間になると自動的に活動内容や情報入力不足事項を知らせる機能も備えている。これにより案件情報が適時更新されるため、より精度の高い売上予測が可能になるという。
このほか、パートナー企業の案件情報を管理する機能「Oracle CRM On Demand Partner Relationship Management」も強化している。新たな代理店と取引を開始する際に必要な審査業務をする機能や、パートナーの営業担当者向けの教育プログラム、代理店の状況を把握するランク付け機能などが加わった。
日本オラクルでは、製薬業界や医療機器メーカーなどを主なターゲットとしている。日本オラクル執行役員CRM On Demand統括本部長の藤本寛氏は、「金融危機があったものの、CRM On Demandの売り上げは倍々で伸びている。また、当初思っていたよりも顧客の(1年単位での)更新率が高く、85%程度に達している」と語り、SaaS型CRMアプリケーション事業が順調であるとした。「2年前は数十ユーザーでの導入が主流だったが、最近では数百、数千ユーザーで検討している企業も増えてきている」(藤本氏)
Oracle CRM On Demand R17の価格は1ユーザーあたり月額7989円。競合となるセールスフォース・ドットコムのSalesforce.com CRM Enterprise Editionが同1万5750円であることから、「価格競争力は十分ある」(藤本氏)と自信を見せている。
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