ユニシス、.NET開発の統合フレームワーク提供--開発標準で品質の均質化図る

田中好伸(編集部)2010年04月19日 15時33分

 日本ユニシスは4月19日、.NETシステム開発の統合フレームワーク製品「MIDMOST for .NET Maris」(Maris)の提供を開始したことを発表した。

 Marisは、従来のオンプレミス型アプリケーション開発に加えて、SaaS型アプリケーション開発にも対応。同社のデータセンターで動作検証が済んでいる。今後はMicrosoftの「Windows Azure」対応も視野に入れている。

図1 AtlasBaseの構成
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 Marisは、同社のオープン系システム基盤「AtlasBase」の“システム共通機能領域”の中核製品の一つになる。Marisの提供開始で、すでに提供されている「MIDMOST for Java EE」とあわせて、同社のオープン系システムアプリケーション開発標準を確立したとしている。AtlasBaseのインフラストラクチャ領域で定義するプロダクトセットとの組み合わせ検証で、システム共通領域とインフラストラクチャ領域で対応する非機能要件の明確化、実装の抜けや漏れを防止して、システム開発全体の品質向上が実現するとしている。

 Marisでは、すべてのアプリケーションで必要となる実行基盤(フレームワーク)とシステム共通機能を“共通部品”として提供する。利用頻度の高い共通部品を活用することで、共通機能をいちから開発する必要がなくなり、業務ロジック開発に注力できるようになり、効率的なシステム開発が可能になるとしている。

図2 MIDMOST for .NET Marisの全体イメージ
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 実行基盤のオンライン処理基盤はフロントエンド機能とバックエンド機能の2つに分けられる。フロントエンド機能は、ASP.NET拡張機能やウェブ画面の部品など。バックエンド機能は、トランザクション管理やメソッド入出力ログ、データベースの例外付け替えなどになる。

 Marisには、開発工程をまとめたガイドや各種設計書のテンプレート、開発規約、開発支援ツールから構成される「開発標準」も提供される。開発標準にある作業フローや設計書テンプレートにしたがって設計することで品質の均質化を実現できるとしている。プロジェクトの迅速な立ち上げ、確実な遂行を実現する各種ガイドやテンプレート群、サンプルアプリケーションも提供される。

 Marisは4月13日にマイクロソフトから発表された「Visual Studio 2010」や最新の「.NET Framework 4.0」への対応、バッチ基盤、帳票基盤など新規処理基盤の追加、開発支援ツールの拡充を予定している。RIA技術の「Silverlight」にも対応していく予定としている。日本ユニシスはMarisと関連サービスをあわせて、今後3年間で約220億円の売り上げを見込む。

 日本ユニシスは2002年にMicrosoftの開発実行基盤「.NET Framework」が公開されてから、これまでに200社以上の案件で.NET Frameworkを活用した信頼性の高いシステムを構築してきたという。

 それらのノウハウをアーキテクチャと開発工程の両面から体系化した開発方法「LUCINA for .NET」、.NET対応のアプリケーションフレームワーク製品「MIDMOST for .NET」など、システム開発のための知的財産を開発してきた。今回のMarisは、そうした.NET開発知財を.NETシステム開発の統合フレームワーク製品として統合、発展させたものになる。

図3 MIDMOST for .NET Marisの構成
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