米国で新聞がオンライン賭博サービスを開始--業界の新ビジネスモデルになるか

文:Greg Sandoval(CNET News) 翻訳校正:矢倉美登里、高橋朋子2010年04月13日 14時15分

 Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏をはじめ、およそ誰もが口を揃えて主張するのは、出版業者は新たなビジネスモデルの可能性に賭けてみるべきだということだ。しかし、米国の新聞社The Philadelphia Inquirerが立ち上げた新しいベンチャー事業は、彼らが想定していたものとは少々異なるかもしれない。

 The Philadelphia Inquirerと姉妹紙Philadelphia Daily Newsのオンライン部門Philly.comは、合法的オンライン賭博サービス「Instant Fantasy Games」を開始した。新聞業界誌「Editor & Publisher」(E&P)の記事によると、両紙は先週、業界初のオンライン賭博分野への進出を明らかにしたという。

 Philly.comの製品開発担当バイスプレジデントYoni Greenbaum氏は、次のように語っている。「われわれの狙いは2つ、すなわちコンテンツの差別化と売り上げだ。既存のスポーツサイトを見ると、その多くが同じコンテンツを提供している。ここから生じる課題として、より多くのものを提供することが求められる。今の時代、スポーツファンは貪欲だ」

 Instant Fantasy Gamesの立ち上げには、英国の賭博会社FanDuelが協力した。ファンタジースポーツとスポーツギャンブルを兼ねたこのサービスでは、参加者が野球、ホッケー、バスケットボールのプロリーグから選手を選び、仮想のチームを作る。仕組み自体は、Yahoo.comや(米CNETの親会社であるCBS傘下の)CBSSports.com、ESPNが提供しているファンタジースポーツとよく似ているが、これらは娯楽のみを目的とする点がInstant Fantasy Gamesとは異なる。

 Instant Fantasy Gamesでは、1ゲーム5〜50ドルの賭け金で、最高90ドルの賞金が得られるとGreenbaum氏は述べている。一対一で対戦し、友人や家族と競うこともできる。対戦したい相手がいない場合は、システム側がゲーム開始5分前に相手を選んでくれる。ゲームは毎日行われる。

 インターネット賭博は米国では違法だが、米国政府は2006年に成立したネット賭博規制法において、ファンタジースポーツなど一部を規制対象から除外していると、E&Pは報じている。

 GoogleのSchmidt氏は米国時間4月11日夜、ワシントンD.C.で行われた米ニュース編集者協会(ASNE)の年次大会で、新聞社の幹部らを前に講演を行った。「われわれが抱えているのはビジネスモデルの問題だ。ニュースの問題ではない」とSchmidt氏は聴衆に語りかけた。

 新聞は民主主義の「根幹を成す」ものだとSchmidt氏は述べ、新聞は今後、広告料と購読料金に基づいた新しいビジネスモデルを確立すると予測した。おそらくこの予測の中に、スポーツギャンブルの創設も付け加えるべきだっただろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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