「iPhone」向け「Opera Mini」が本当に登場するのかについては、懐疑的な見方をする人もいたが(筆者もその1人だったことを認める)、Opera(とApple)は米国時間4月12日夜、「Opera Mini for iPhone」がAppleのApp Storeで承認されたことを発表した。
Appleがブラウザアプリケーションを承認することが、それほど大事件であるとは思わないかもしれないが、Appleは、競合ソフトウェアをiPhoneから排除するために、自社が定めた規則をできる限り厳しく解釈するとして悪名高い。iPhoneのブラウザ「Safari」と競合するモバイルブラウザは存在するが、それらはすべて、Safariで使用されているのと同じブラウザエンジン「WebKit」をベースとするものだ。一方、Operaの「Opera Mini」は、WebKitを採用せず、いくつかのプログラミング言語を組み合わせてコーディングされている。Appleは当然、そのようなアプリケーションをこれまで却下してきた。
Operaの創設者で、前最高経営責任者(CEO)のJon von Tetzchner氏は、2010年3月のCTIAカンファレンスにおいて米CNETに対し、Opera Miniは規則の抜け穴をかいくぐり、App Storeに承認される可能性が高いと述べていた。多くのウェブブラウザと異なり、Opera Miniは、それ自体のネイティブコードを介してウェブページを要求したり削除したりしない。Opera Miniはプロキシブラウザと呼ばれるものであり、ウェブページ要求をOperaのサーバに送信し、Operaのサーバがそのウェブページを圧縮して端末に返信する。この方法を使用すると、ウェブコンテンツの配信が高速になる場合が多いだけでなく、Appleが多くのスタンドアロンのHTMLブラウザを却下する理由をうまく回避することができる。
iPhone向けのOpera Miniが登場したことにより、まったく異なるウェブエンジンに基づき、また、われわれのテストではSafariよりもかなり高速であったブラウザを使用するという選択肢がiPhoneユーザーに与えられる。もちろん、実使用におけるテストを実施しなければ最終的な結論は下せないが、ウェブページデータを圧縮するOperaの能力は、iPhone上でのブラウザ速度テストでもよい結果が得られる可能性が高いことを強く示唆している。他のプロキシブラウザ(Skyfireなど)を作成するメーカーも、これに倣い、自社のアプリケーションのiPhone向けバージョンを提供することになるだろう。
Opera Miniは、ユーザーが居住する国によっては24時間以内に無料で提供される予定である。本記事執筆時点で、iTunesやサンフランシスコにあるiPhoneではOpera Mini for iPhoneは提供されていなかった。Operaによると、提供は日本から始まり、提供地域は東に向かって広がっていくという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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