一般書を主に取り扱う国内31社の出版社が集まり、一般社団法人 日本電子書籍出版社協会を設立した。電子書籍のフォーマット統一化を図る考えだ。
日本電子書籍出版社協会は、任意団体「電子文庫出版社会」を発展させる形で2月1日に設立された。紙の出版物と電子書籍の共存を図ることを目的に、電子書籍の規格統一などを図る考えだ。
協会には4つの委員会が設置される。具体的には、著作権者との契約のあり方について研究する法務委員会、電子書籍販売サイト「電子文庫パブリ」を運営する電子文庫パブリ委員会、国内標準となる電子書籍の規格について検討するフォーマット委員会、世の中にあるさまざまな電子書籍ビューアーを研究するビューアー委員会だ。
協会ではまず、契約者との権利契約や電子書籍の規格統一を中心に進める。個別の権利処理については各社が行うとし、Amazonなどの電子書籍販売会社との販売交渉窓口になることはないとした。また、規格についても「パッケージメディアを含めれば電子書籍の歴史は20年以上になる。これまで業界が蓄積してきたものを生かせるようにする」(日本電子書籍出版社協会 専務理事の細島三喜氏)とし、新たな規格を作る考えはないとのことだ。
日本電子書籍出版社協会の代表理事を務める講談社代表取締役副社長の野間省伸氏は「紙かデジタルかと考える必要はない。優れたコンテンツを届ける手段が増えるということで、電子化は望ましいことだ」と話し、低迷している出版業界を電子書籍で拡大したいとの考えを示した。
なお、今回参画した出版社は、朝日新聞出版、学研ホールディングス、角川書店、河出書房新社、幻冬舎、講談社、光文社、実業之日本社、集英社、主婦の友社、小学館、祥伝社、新潮社、ダイヤモンド社、筑摩書房、中央公論新社、東洋経済新報社、徳間書店、日経BP社、日本経済新聞出版社、日本放送出版協会、早川書房、PHP研究所、扶桑社、双葉社、ぶんか社、文藝春秋、ポプラ社、マガジンハウス、丸善、山と渓谷社の31社となっている。
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