前回これを指摘した、明治大学教授で東京大学名誉教授、弁護士の中山信弘氏は「写り込んだ対象物に代替性がなければ、付随性はないのではないか」と改めて意見。これに対して、WTの座長を務めた東京大学大学院法学政治学研究科教授の大渕哲也氏は「形式的侵害で重要なのは主たる目的は何かということ。代替性を前面に出すとかえって混乱するのではないか」と対論を述べた。
また、大渕氏は「写り込み、写し込みの規定については法律が厳格とされるドイツでもあいまい」と述べたのに対し、弁護士で中央大学法科大学院客員教授の松田政行氏は「類型Aで写し込み、写り込み以外は考えられない。それ以外に何があるのか」と、具体例の明示を求めた。
一方、3種類の類型のほかに、営利性など利用形態や用途により権利制限の対象を規定する必要性の可否についても意見が続いた。素案では「権利制限の範囲が不当に狭くなり、事案によっては不合理な結論が生じる可能性があることから、非営利性を独立した要件とする必要はない」と記載されたのに対して、「広告など営利目的での写し込みについて本当に理解が得られるのか」(東京地方裁判所部総括判事の清水節氏)、「非営利な個人の利用であってもネットにアップした時点で営利になる可能性もある」(中山氏)といった指摘がなされた。また、文化庁長官官房著作権課著作物流通推進室長の川瀬真氏は「ある程度抽出した要件で条文化する必要があるのか判断してもらいたい」と立案者側からの要望を述べた。
同委員会では、3月中にも中間報告書をまとめる意向で、3月30日に次回会合を開催する予定。取りまとめに向け、同委員会の主査を務める土肥一史氏は、「(類型)Aの方向性を詰めていく必要がある」と語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス