ウェブ検索サービス「NAVER」を運営するネイバージャパンは3月9日、ミニブログサービス「pick」ベータ版を提供開始した。
pickは米国のミニブログサービス「Tumblr」のように、ウェブ上でいま気になっている画像や動画などを投稿したり、他人が投稿したコンテンツを自分のページで再投稿して(pickすると呼ぶ)楽しむもの。
ユーザー同士はTwitterのようにフォロー/フォロワー(購読、被購読)の関係でゆるやかにつながる。自分の投稿のほか、お気に入りのユーザーが投稿したコンテンツが時系列に表示され、気に入ったものをpickしていく。
投稿できるのは117文字以内のテキストと、画像、動画、位置情報。Twitterのように自分から投稿しなくても、気になったコンテンツを見つけたらワンクリックでpickできる敷居の低さが特徴だ。トップページに投稿ウィンドウは設置していない。
その一方で、積極的に投稿するユーザーは誰かにpickされる楽しみを味わえる。クリックするだけで反応できるため、ほかのユーザーから何らかの反応を受けやすいという。
サービスを利用し始めたときに誰をフォローすればいいかわからないというユーザーに向けて、約6000人の著名人の公式ブログ、Twitterの更新情報を閲覧できる「有名人のひとこと」というコーナーを開設した。お気に入りの著名人のアカウントをフォローすると、その人のブログ記事やTwitterでの発言が自分のページに表示され、pickできるようになる。
また人気のコンテンツがわかる「pickランキング」、多くのユーザーに評価されている「おすすめユーザー」、ランダムに他人のページが表示される「シャッフル」などの機能を用意し、いろいろなコンテンツとの出会いの機会を設けた。とくにpickランキングは眺めているだけで楽しめるほどクオリティが高い。
自分の投稿やpickの一覧と、ほかのユーザーからの反応は「マイページ」でチェックできる。このマイページはNAVERのユーザーページと共通のものになる。NAVERユーザーが検索結果を作れるサービス「NAVERまとめ」の評価ボタンもpickに切り替わった。
多くのユーザーがpickを繰り返すことで、「ソーシャルフィルタ」と呼ばれる、ユーザー間の取捨選択が蓄積されていく仕組み。ネイバージャパンはこれを検索にも有効活用したい考えだ。
「Twitterのような140字のリアルタイムなミニブログが全盛だが、我々はこれを単純にインデックスするのではなく、『探しあう検索』というNAVERのテーマに合った活用を検討している」とネイバージャパン事業戦略室室長の舛田淳氏は話す。
「我々が目指すのはサーチコミュニケーションプラットフォーム。そのためにはエコシステムを持つ必要があり、pickはその中の1つになる。『Twitterを使い始めてからGoogle検索を使う回数が減った』という声も聞く。それはTwitterというソーシャルフィルタを通して情報が入ってきているから。検索の会社がそういったサービスを提供するのはストーリーとしてありだと思う」(舛田氏)
pickはNAVERブランドをつけずに、独自ブランドを立てて提供する。ネットに慣れ親しんだユーザーが使うNAVERよりも広い層に利用されると見ている。
pickは3キャリア対応の携帯電話版サービスからも投稿、閲覧が可能だ。近日中にはiPhoneアプリも提供される予定。
今後はほかのミニブログサービスとの連携を考慮し、投稿できる文字数を140字以内に変更する。TwitterやAmebaなうへのマルチポスト機能も提供する。さらにAPIを公開し、外部開発者が連携サービスを作れるようにする。
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