ニコンイメージングジャパンは2月23日、コンパクトデジタルカメラCOOLPIXシリーズ4機種を3月より発売すると発表した。
ニコンのデジタルカメラとしては初となるフルHD動画が撮影できる「COOLPIX P100」に加え、広角28mm相当(35mm判換算の撮影画角)からの光学7倍ズームで世界最薄ボディを実現し、「夜撮りキレイテクノロジー」を搭載した高性能モデル「COOLPIX S6000」、20代から30代女性をターゲットにした「COOLPIX S4000」と「COOLPIX S3000」を揃えた。
すでに発表済みの「COOLPIX S8000」など4機種を加え、計8機種がニコンの2010年春モデルラインアップとなる。
コンパクトデジタルカメラの買い換えや買い増しと新規購入の比率を見ると、2008年頃からは買い換え/買い増しが8割を占めているという。現状のデジタルカメラに手ブレする、ズームができないなど何らかの不満があって買い換えることから、安心感を与える「不満解消型」モデルと新機能などでワクワク感を与える「提案型」モデルを用意してユーザーのニーズに応えていく方針だ。
今回のメインモデルとなるCOOLPIX S6000は、COOLPIX S8000と同様に暗い場所でもキレイに撮れる「夜撮りキレイテクノロジー」を搭載。さらに有効画素数1420万画素、広角28mm相当(35mm判換算の撮影画角)からの光学7倍ズーム NIKKORレンズを搭載しながら、奥行き25mmの世界最薄サイズを実現したという。本体カラーはフラッシュレッド、ノーブルブラック、シャンパンシルバー、ソフトブラウンの4種類で、発売予定日は3月11日。市場想定価格は、3万円前後。
COOLPIX S4000とCOOLPIX S3000は、全世界で好調な販売を記録したという「COOLPIX S230」「COOLPIX S220」の後継機だ。撮影機能をより充実させながら、上質感のあるデザインでスリムボディを実現した。
有効画素数は1200万画素で、広角27mm相当(35mm判換算の撮影画角)からの光学4倍ズームNIKKORレンズを搭載するほか、「美肌効果」を備えた「ベストフェイス機能」を搭載。COOLPIX S4000にはタッチパネルを採用しており、HD動画の撮影も可能だ。
COOLPIX S4000のカラーはブライトブロンズ、シャイニーシルバー、ルビーレッドの3種類で、市場想定価格は2万5000円前後。COOLPIX S3000はファインオレンジ、ピュアシルバー、ビビッドピンク、アクアブルー、ポップグリーンの5種類で、市場想定価格は2万円前後。いずれも発売日は3月19日。
COOLPIX P100は、高画質な撮影が楽しめるニコン初のフルHD動画撮影対応カメラだ。有効画素数1030万画素で、光学26倍ズームと撮像素子には「裏面照射型CMOSセンサー」を採用。広角26mmから超望遠678mm相当(35mm判換算の撮影画角)までの幅広い撮影領域をカバーする。最高約10コマ/秒、スポーツ連写モードで最高約120コマ/秒の高速連続撮影も可能だ。
夜景や室内など光量の少ない場所での高感度、低ノイズ撮影が可能という。カラーはブラックのみで、発売日は3月5日。市場想定価格は5万円前後。
コンパクトデジタルカメラの市場動向は、2008年のリーマンショック以降、大きく前年同月比を割り込んでいたが、2009年6月より徐々に回復基調にあるという。CIPA(一般社団法人カメラ映像機器工業会)によれば、2010年の市場規模予測は830万台。2009年比マイナス40万台だ。しかしながら、「6月を境に、少しずつ右肩上がりになってきている。対前年を割っているので、諸手をあげて喜ぶべきではないかもしれないが、上がってきていることは受け止めるべきと思う。830万台の市場数値が存在することが大事」と話す。
最近のトレンドとして、光学ズーム倍率の高いモデルの比率が上昇しており、2009年10月からは7倍以上のコンパクトデジタルカメラが17%を占めるという。
ニコンの調査によれば、ユーザーは高倍率を望む一方で、カメラが大きくなったり厚くなったりすることには抵抗を感じているユーザーがほとんどで、「モノ作り的には相反するので難しいところではあるが、ご要望にお応えしていく必要がある」(ニコン 映像カンパニー第一マーケティング部 第二マーケティング課マネージャーの楠本滋氏)という。
また、「画素数の数値が大きい方がいいものが撮れるんじゃないかという考えがあるんじゃないかと思っている。一方で、厳しい条件、暗いときの画質がキレイでないと、不満点を感じる。厳しい条件での画質を要望されている。コンパクトカメラへの要求が非常に高くなっている」(楠本氏)と分析する。ニコンは、夜撮りキレイテクノロジーにより、ユーザーの不満を解消できるとアピールした。
ソニーが2月22日にコンパクト一眼カメラを発表するなど、最近のトレンドとなっているミラーレスのデジタル一眼について、ニコン 執行役員映像カンパニー開発本部長の風見一之氏は「ニコンやキヤノンなどの伝統的な一眼カメラだけでなく、新しい形のものがでてくることは、市場活性化のためにはいいことだと思う。実際市場も広がってきている」とコメント。
今後どうしていくかについては、「“次世代コンセプトのカメラ”と呼んでおり、開発研究を続けている。具体的にどういうものなのか、どのタイミングかはお話しできないが、市場動向を見ながらわれわれの技術を盛り込んで(リリースの)検討を続けている」と明かした。
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