家庭用医療機器の相互運用などを目指した米NPO法人のContinua Health Alliance(CHA:コンティニュア・ヘルス・アライアンス)は2月17日、相互接続などについて定めた「コンティニュア設計ガイドライン」に準拠した健康管理製品を披露した。
コンティニュア設計ガイドラインは、健康管理システムに互換性を持たせるためのもの。「予防的な健康管理」「慢性疾患管理」「高齢者の自立生活」の3分野を対象領域としており、血圧計や体重計、フィットネス機器などで計測したユーザーのデータをPCや携帯電話などで集約できるようにしている。
集約したデータはインターネットを介してサポート側に送られ、健康管理やフィットネス指導、専門的なヘルスケアサービス、高齢者のモニタリングサービスなどに生かされる予定だ。コンティニュア参加企業は世界で約300社となっている。
コンティニュアのガイドラインに準拠した製品としては、遠隔指導やセキュリティデータベース、ウェルネス管理といった「健康データ管理」、歩数計や血圧計、体重計・体組成計などの「健康管理機器」、PC、ゲートウェイ、フィットネスデバイスなどの「データ管理機器」、Bluetooth、USBスタック、半導体、ソフトウェアといった「コンポーネント」などがある。
CHAの代表であるリック・クノッセン氏は、日本を「コンティニュア設計ガイドラインの先駆者」と位置付け、革新的な技術を持つ存在として大きな期待を寄せていると述べた。また、CHA日本地域委員会の代表企業であるインテルの吉田和正氏は、ガイドラインに準拠した製品を使用することで情報の一元管理が可能となり、ユーザーが自分の健康状態を自宅で経過観察できることが大きなメリットになるとした。
計測したデータはBluetoothなどを介して自動的に転送されるため、手入力によるミスを防止できるメリットがある。また、訪問看護などの分野では作業が効率化され、コミュニケーションの時間を増やせるという。吉田氏は事例として、セントケア・ホールディングの「訪問看護アセスメント」、エム・オー・エム・テクノロジーの「総合健診システム」、総務省ユビキタスタウン構想推進事業の「自治体遠隔疾病管理ソリューション」を紹介した。
ゲストとして登壇した、帝京大学本部情報システム部部長で、医学部附属病院において麻酔科学講座を持つ澤智博氏は、医療現場では、医療不信の増大や医療への過大な要求、医師の集団辞職などといった問題が起きていると語る。コンティニュア設計ガイドラインに準拠した機器を活用することで、日々のデータを観察して異常を早期に発見し、生活スタイルを修正して健康を増進させ、医療機関への負担が軽減できるとした。また、大量のデータを解析できれば医学の研究にも役立つという。
コンティニュア設計ガイドラインに対応した製品は、アライヴ、イーフロー、エー・アンド・デイ、NTTデータ、NTTドコモ、エム・オー・エム・テクノロジー、オムロンヘルスケア、カデンザ、シーエスアール、セントケア・ホールディング、メディカル・データ・ビジョン、太陽誘電、タニタ、東芝、パナソニック、日立ソフトウェアエンジニアリング、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン、マインドツリー、ミュートス、菱洋エレクトロ、Nonin Medical、Nordic Semiconductor、Yellow Digita1 Health Labから登場する予定だ。
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