2010年には、世界人口約68億人に対し、携帯電話加入件数は50億件に達する可能性が高いという。
国際電気通信連合(ITU)によると、世界の携帯電話加入件数は、2009年末時点で46億件だったが、2010年中に50億件に達する見通しだという。携帯電話の利用の急増を推し進めているのは、先進国だけではない。モバイルバンキングやモバイル医療といったサービスを切望する発展途上国も牽引役となっている。
ITU事務局長のHamadoun Toure博士は現地時間2月15日、スペインのバルセロナで開催中のMobile World Congressで次のように述べた。「経済危機のさなかでさえも、通信サービス需要の落ち込みは一切見られない。特に2010年には、携帯電話を利用してインターネットに接続する人がさらに増え、引き続き携帯電話向けサービスが急速に普及すると確信している」
携帯電話の利用急増に伴い、インターネットへのモバイルアクセスの需要も飛躍的に伸びている。ITUは、世界のモバイルブロードバンドサービス加入件数が2009年末時点の6億件から急増し、2010年中に10億件を超えると予測している。また、5年以内に、ノートPCやモバイル端末からのアクセスがデスクトップPCからのアクセスを上回るという。
発展途上国の人々は、ますます携帯電話でモバイルバンキングを利用するようになっており、銀行口座を持たない人でさえもそうした傾向がみられる。ただしITUは、発展途上の諸地域における携帯電話の利用で、他の地域と異なるのは医療分野だと考えている。
「最も簡素で最低価格帯の携帯電話でも、発展途上国では医療の向上に大いに役立つ。良い例が、診察を予約している患者や出産前の検診が必要な患者の電話に、リマインダーメッセージを送信することだ。SMSメッセージを利用して、抗レトロウイルス薬やワクチンなど、複雑な薬剤を摂取するタイミングと方法についての指示を送ることもできる。実に簡単な作業で、しかも何百万ドルも節約できる。人々の健康増進に役立ち、さらには大勢の命を救うことさえ可能だ」(Toure博士)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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