今回は、ECサイトで開催されるセールやキャンペーンについての検証です。冬のセールはだいぶ落ち着いてきましたが、定期的にセールやキャンペーンによる販促活動をしているショップは多いと思います。今回の結果をぜひ参考にしていただければ幸いです。
検証するサイトは、ECサイトの老舗「無印良品」ネットストアです。テストの概要は以下の通りとなります。
今回のテストでは、「キャンペーンメールを受け取ったユーザーがメールからサイトに訪れる」ことを想定しています。また「●●円以上で送料無料」という状況も設定しました。
「メールがきっかけ→サイト内セール会場で買い物→複数商品を購入(クロスセル)」というサイト運営者の意図があるという設定で、タスクを設計しています。はたして、サイト運営者側の意図通りにユーザーは動いてくれるのでしょうか。
最初の被験者Aさんは、メールからセール会場トップページへとやってきました。ページ内の写真を中心にすばやく全体を見回すものの、欲しいものが見あたらなかったため、検索窓に「イヤーマフ」(耳あて)と入力して商品を検索します。検索後、無事にお目当ての耳あてを見つけたAさんは、耳あてをカートに入れました。
引き続きセール商品を買おうと思ったAさんは、続いて「セール会場トップ」へ戻るためのリンクを探そうとしましたが、見つけることができません。
「冬物関連のセールに戻りたいんだけど、戻れなくなった…」
困ったAさんは、左カラム一番上にあった「キャンペーン/商品一覧」バナーの先に遷移するも、サイト内にて迷子になってしまいます。
「何が欲しいか分からなくなった。何を買おうとしてたんだっけ?」
検索するというアクティブな行動を見せていたAさんの購入へのモチベーションですが、ここにきて一気に下がってしまいました。
カートに商品を追加した後、Aさんがセール会場へ戻れなくなってしまった原因は何だったのでしょう。
1つは、カートページにおけるセール会場への導線の弱さの問題です。ページ左のカラムにセール会場入り口となる小さなバナーがあったものの、目立たず、Aさんはそのバナーに気づくことはありませんでした。
さらに、バナー文言の問題。メール上に「冬の大セール実施中」と書いてあるのを見てサイトに入ってきたAさんですが、バナーの文言は「季節の品のお買い得」。Aさんが予想していた文言と異なっていたため、Aさんは、このバナーがセール会場への導線だとは気づかなかったのです。
ここでは、メールを受け取った時のユーザーモチベーションを低下させずにキープし続ける、導線設計や画面設計が必要です。
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