Googleは、同社のソーシャルネットワーキング戦略ではもう少し多くの支持者の手を借りることができるだろうという結論に達した。
インターネットが生まれてから2007年ごろまで、Googleよりもうまくインターネットを把握してきた企業は、おそらくないだろう。しかし最近数年間で、ソーシャルメディアによって生成されるウェブコンテンツが爆発的に増え、ウェブの新たな局面が生み出されており、Googleはそれをコントロールできず、時には見ることすらできないでいる。Googleの最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏はかつて、Googleは2300年までにウェブ全体にインデックスをつけられると考えていた。しかし、2009年には米CNETに対して、ソーシャルメディアが出現したためにすべてを把握することが「可能かどうかすら分からない」と語っている。
ソーシャルメディアの情勢を形作っているのは、Google以外の勢力だ。それは、Googleが好機をつかんでいないからではなく、Googleが勝てる戦略をまだ形にできていないからだ。自社の進捗にうんざりしたGoogleは、2010年にソーシャルメディアへの取り組みをリセットしようとしており、ソーシャルメディアを熱心に推進するChris Messina氏、Will Norris氏、そしてPlaxoの元幹部であるJoseph Smarr氏といった経験豊富な人材を採用して、新たな「ソーシャルウェブチーム」を率いてもらうことにした。
Smarr氏は米CNETとのインタビューで、次のように語っている。「Googleは、ソーシャルネットワーキングを2010年の重点項目の1つとした。ウェブがソーシャル化するなか、これは当然のことだ。Googleのすべての人のために、新しいアイデアを思いついて、どうすればそれを最後までやり遂げるか、どうすれば速くかつうまく実現できるかを理解するという、非常に強い願望があると思う」
しかし、Googleの現役社員も元社員も、自社のエンジニアリング文化にあれほど忠実な企業が、ソーシャルネットワーキングというより広い世界に本当に適合するかどうか、疑問に思っている。月並みな考えかもしれないが、エンジニアは社会的スキルに定評があるわけではない。そしてソーシャルネットワーキング技術には、コンピュータ科学と同じくらい、社会学が関係している。
「それが(自社のエンジニアの)DNAにないことが、Googleの課題だ」。匿名希望の元Google従業員はこのように語る。この人物はさらに、「(ソーシャルネットワーキングを)気にかけていないというのではなく、目に映ることすらない。同社の世界観はあまりに分析的で計算的なので、ソーシャルネットワーキングを見ることは不可能に近い」としている。
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