MozillaのプログラマーRobert O'Callahan氏は別の問題を提起した。H.264のライセンス料が増額される可能性があるという。
「現在インターネット上でH.264コンテンツを提供するコストはゼロだが、2010年より後にこの状況が変わることはほぼ確実だ。条件の詳細については1月末にならないと分からない。重要な問題は、具体的にどのくらいのコストになるかではなく、H.264を公開したい人は、おそらく弁護士を雇ってMPEG LAとの間でライセンス契約の交渉をしなければならないだろうということだ」(O'Callahan氏)
この状況はさほど複雑ではないと思えるなら、もう1つ、Googleから新しい動きがあるかもしれない。
しかしその動きは、事態を単純にする可能性も秘めている。
というのも、GoogleはOn2 Technologiesを買収しようとしており、このOn2 Technologiesの以前のコーデックがOgg形式の基盤となっているからだ。Googleの買収計画の発表において、同社の製品管理担当バイスプレジデントSundar Pichai氏は、次のような興味深い理由を示した。「今日、ビデオはウェブの体験に不可欠の要素となっており、われわれは高品質のビデオ圧縮テクノロジがウェブプラットフォームの一部となるべきだと考えている」
もちろん、GoogleはまずOn2 Technologiesの株主を説得して、同意してもらわなければならないし、実際すでに提案を魅力的なものにする必要があった。その後、ブラウザメーカーなどHTMLの標準化に関わる人々を説得して、この考えに支持を得なければならないだろう。その際、ブラウザメーカーであるMicrosoftとAppleがH.264に含まれる特許を保有していることに注意する必要がある。
しかしAppleは、「iTunes」を通じてメディア事業を拡大しており、同社によるLalaの買収は、同社がストリーミングメディアにもある程度の関心を持っていることを示している。他方Microsoftは、ウェブ標準に対する熱意を公言し始めている。
したがって、ウェブビデオについては、いつの日か完全に落ち着くことがあるとしても、今後数年間は変動が続くことが確実だが、一致の可能性はある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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