GoogleとAppleがLalaに見いだしている可能性があるものを理解するには、まず同社の陽気な創設者Nguyen氏から始める必要がある。
ベトナム移民の子であるNguyen氏は魅力的な人物で、サーフィンに熱中しているほか、シリコンバレーで最も人当たりの良い人物の1人として知られている。ヒューストンバプテスト大学では平均的な学生だったNguyen氏は、同大学を中退した後、車のセールスを始めたが、1999年に電子メールテクノロジ企業のOneboxを8億5000万ドルで売却して大金を手にした。
同氏はその後、Lalaに加え、Wi-Fiソフトウェア企業のSevenを含むいくつかの企業を立ち上げている。
Nguyen氏は、iTunesを運営し尊敬を集めているApple幹部のEddy Cue氏と非常に親しい。Nguyen氏に関して最も重要なことは、同氏が昔からMP3フォーマットを舞台から降ろそうとしているということかもしれない(一方Appleは、保護されていないAACフォーマットを使っている)。大勢の音楽ファンに支持されているデジタルオーディオフォーマットのMP3は消え去ろうとしている、とNguyen氏はよく話している。同氏の考えでは、ダウンロードはかつての有用性を失っており、消費者は今後、自分の音楽をハードドライブではなくクラウドに保管するようになるという。
Nguyen氏は1年前、「何にも接続されずブラウザが搭載されていない電子機器があったとして、(将来)それを使うことがあるだろうか」と筆者に尋ねた。「ブラウザで行えないことは何もない、という事実を直視しなければならない」(Nguyen氏)
カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くLalaは、ユーザー同士がCDを交換するためのオンラインマーケットプレースとしてスタートした。その後、ウェブ対応機器への音楽ストリーミングを開始している。同社はユーザーのコンピュータのハードドライブをスキャンし、Lalaが権利を有する楽曲があった場合、その楽曲にウェブ経由でアクセスできるようにする。
The New York Timesの報道によれば、Lalaは今後短期間で黒字に到達することはないとの結論を下し、何らかの契約を期待してAppleにアプローチしたという。
ここで導き出される自然な結論は、AppleはLalaを買収することで、従来の楽曲ダウンロードから離れるための地盤作りをしているのかもしれないということだ。もしこれが正しければ、驚愕すべきことだ。なぜなら、Appleはダウンロード販売によって小売帝国を築き上げてきたからだ。
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