スキャンの準備も簡単だが、スキャンそのものも簡単だ。まずは、試しに1枚スキャンしてみよう。A4の無地の紙に文字を書き、クイックスキャンで、スキャンできるかどうかをテストした。
A4サイズ1枚を標準画質でスキャンすると、約8秒だった。実際の感覚としてはあっという間だ(ちなみに、スーパーファイン画質では約14秒、エクセレント画質では約43秒かかった)。
スキャン中は、紙送りの音が少しする。普通にオフィス内で使うにはまったく気にならないが、外出先でスキャンする場合、静かな場所では多少気になるかもしれない。
ScanSnap Organizerはよくできており、PDFファイルの整理が簡単にできるほか、ABBYY FineReader for ScanSnapを使用したMicrosoft Officeとの連携機能がワンクリックで利用できる。これは、ScanSnap Organizerの左下にある「オフィス機能」のボタン群から、目的のボタンをクリックするだけで、PDFファイルをWordやExcelなどに変換してくれる機能だ。
変換されたOffice文書には、OCR機能を使ってテキスト化された文章が入るが、手書きの場合は、スキャンする時の画質を上げても、OCRの精度はあまりよくならなかった。しかし、パソコンで作成された文書をスキャンして変換したところ、かなり正確にOCR機能が働いた。
次は、すぐに手元にたまってしまう名刺の整理だ。名刺の内容を手で入力して、データベースを作るというのは、案外面倒なもので、結果的に名刺を何十枚も持ち歩くことになったり、必要なときに取り出せなかったりする。名刺の内容の入力、という面倒な作業が、ScanSnapでスキャンするだけで済むのであれば、かなり仕事を効率化できる。
とりあえず、筆者の名刺をスキャンしてみた。両面がカラーで、一般的なシンプルな名刺に比べてごちゃごちゃしている。また、住所はピンク色の下地に白抜きで書かれている。OCR機能を使うのでスーパーファイン画質に設定すると、約4秒で読み取りが完了した。
このときにスーパーファインより低画質のモードを選択していると、OCRでの読み取り精度が低くなるため、画質を上げて再度スキャンするよう注意を促される。
クイックメニューで「名刺ファイリングOCR」を選択すると、ソフトウェアが自動的に名刺の内容を読み取り、読み取った情報が入力された状態で、「名刺ファイリングOCR」が起動する。
黒い文字で書かれている名前の部分はしっかりと読み取られており、フリガナもついている。屋号の色の付いた英字の部分は誤変換があったものの、「会社名」という項目の中にきちんと入力されている。また、名刺の両面が自動的に認識されて「表面」と「裏面」が一組になって管理される。
さすがにピンク色に白抜きの文字は、初回スキャンでは読み取れなかった。各項目が読み取れない場合は、名刺画像の上で特定の個所を矩形で指定。右クリックで表示されるメニューからボタンを選び、個別の項目を読み取れる。この方法でなら、白抜き文字でも英数字は正確に読み取ってくれた。ただ、白抜きの漢字を読み取ることはできなかった。
名刺のデータは、Excel形式(*.xls)でエクスポートすることもできるので、応用範囲が広がる。
名刺の情報をいちいちデータ化するのではなく、名刺の画像そのものをiPhoneに入れて持ち歩く、という方法もある。その場合はスキャンの画質が低くても十分iPhoneで文字が読めるので、ファイルサイズが小さくて済むノーマル画質を選択しよう。
名刺をスキャンしたら、クイックメニューで「ピクチャフォルダに保存」を選ぶ。「ピクチャフォルダに保存」ウィンドウが表示されるので、ファイル名と保存先を指定して保存する。これで、JPEG形式で名刺画像が保存される(画像サイズは約90Kバイトだった)。
iTunesを使って、iPhoneと名刺の保存先のフォルダを同期すれば、名刺画像をiPhoneに入れて持ち運ぶことができる。これならば、いただいた名刺の入った分厚い名刺入れを持ち歩かなくて済むし、ソフトウェアを使えば簡単とはいえ、それなりに手間のかかるデータ変換作業も必要ない。
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