サミット・グローバル・ジャパン(SGJ)は12月3日、ポラロイドのイメージング製品事業を開始すると発表した。
SGJは、日本におけるポラロイド製品の販売を目的に、フォトグラフィック製品のデザイン・開発・販売を行うサミット・グローバル・グループ(SGG)の子会社として11月に設立。今後はポラロイドのデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、ポラロイドPoGo、モバイル製品を、コンシューマーと企業向けに展開していく方針だ。
コンシューマー向けには、10代後半から30代前半の若者をターゲットとして、デジタルカメラやモバイルプリンタ、デジタルビデオカメラなどを展開する。
第一弾として、ウェブサイトにて手のひらサイズの「ポラロイド PoGo インスタントモバイルプリンター」の購入予約受付を開始した。直販価格は9800円。
約5cm×7.5cmの縁なしカラー写真を約1分でプリントできるのが特長で、PCを使わずにPictBridgeやBluetoothを介して携帯電話などからダイレクトに印刷できる。フル充電状態で15枚までプリント可能。ボディカラーはブラックとグレーのみだが、今後は赤やブルーなども展開していく方針だ。発送は12月20日前後を予定。
現在はウェブサイト限定販売となるが、12月中には大手通販サイトや大手家電量販店にて販売開始を予定しており、その後は、コンビニエンスストアなどでの販売も考えているという。
このほかにも、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、デジタルインスタントカメラなどを順次日本市場に投入する方針だ。
SGJ リテール・法人事業部長の高田克之氏は、「日本の中でもう一度愛される商品に戻すのがわれわれの使命」として、「Fun(使って楽しい」「Fashionable(おしゃれ)」「Feasible(手頃で便利」の3つの“F”を提供していくと語る。
撮ってすぐにプリントできる5Mピクセルのインスタントデジタルカメラ「Polaroid TWO」は1万9800円。SDカードに保存することもできる。さらにタッチパネル搭載の高機能デジタルカメラ「t1235」は1万5800円で今後投入する見込み。
デジタル4倍ズームのデジタルビデオ「DV130」は5480円で、1.3MピクセルのCMOSを搭載。いずれも低価格な商品がラインアップされている。高田氏は、「チャレンジングな金額を予定。デジタルビデオは、桁を間違えているのではない。手軽に出かけるときにカバンにいれて欲しい」としている。
企業向けには、既に高い実績を持つ病院や警察などの産業を中心にインスタント製品展開する考えだ。また、SGGと日本のカメラやフィルムメーカーの取次代理店としての位置付けもある。
今後は、さらにインスタントカメラやフィルム、DVDプレイヤーなどを順次発売・拡充するという。インスタントカメラとフィルムは、2008年から生産が中止となっており、2010年春から秋にかけて新製品として復活させるとのことだ。
ポラロイドは、2010年で日本上陸から50周年になるという。主要先進国におけるブランド認知度は100%のブランド力を持つ。
しかし、2008年12月、ポラロイド製品の生産・販売をしていたポラロイドコーポレーションは、米国連邦破産法第11章(Chapter 11)の適用を申請し、事実上経営破綻した。その後2009年4月、Gordon Brothers GroupとHilco Consumer Capitalが、ポラロイドコーポレーションを合同で買収した。
さらに2009年6月、SGGがGordon Brothers GroupおよびHilco Consumer Capitalと独占的生産・販売に関する更新権付き5年契約を締結したことにより、ポラロイド製品やブランドは継続され、今回の発表の流れに至ったもの。
今回の日本における展開では、すぐプリントできる「インスタント」としての利便性にフォーカスしていくという。
「マーケットのあらゆる層に共通するインスタントの楽しさ、ポラロイドの魅力を、旧経営陣は忘れてしまった。瞬時にプリントできるのは、30年たった今も有意義な経験。参入するにあたり、インスタントを強く打ち出して復活したい」とサミット・グローバル・ジャパン 代表取締役CEO ジョヴァンニ・トマセーリ氏は決意を語った。
SGJでは、3年目となる2012年に売上げ120億円を目指す。
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