Barnes & Nobleの電子書籍端末「nook」をめぐって新興企業のSpring Designが起こした訴訟について、同端末の販売を禁止する差し止め命令請求が却下されたことが、裁判所の文書により判明した
Spring Designは、カリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所に提訴したこの訴訟において、差し止め命令と損害賠償金を求めていた。訴訟で原告側は、Barnes & Nobleがnookを開発する際にSpring Designの企業秘密を悪用したと主張している。nookは、Spring Designが電子書籍端末「Alex」を発表した翌日の米国時間10月20日に発表された。
11月30日の審問に基づく裁判所の裁決(PDF)は、Spring Designの仮差し止め命令請求は却下したものの、原告が最終的に勝訴した場合には販売を禁止するのが妥当と考えられる、という内容だった。また、裁判所は、早期の審問を求めるSpring Designの要請に応じるため、公判前手続きを迅速に行うとしている。
Barnes & Nobleの広報担当者は12月2日、同社は訴訟に関してコメントしない方針だと伝えてきた。CNET NewsではSpring Designと連絡をとってコメントを求めたが、現在は返事待ちの状態だ。
Spring DesignのAlex(未発売)と同様に、nookはカラーのタッチスクリーンとE-inkスクリーンを搭載し、「Android」OSを使用している。Spring Designは訴訟で、Barnes & NobleにAlexの計画を明かしたところ、Barnes & Nobleは興味を示し、同様の端末を開発中であるそぶりはまったく示さなかったと主張した。
今回の裁決により、ひとまずnookは販売が進められることになったが、法的な問題以外にも障害がある。
Barnes & Nobleは、10月下旬に電子書籍端末市場への参入を正式発表した際、早期に予約注文した顧客には11月末までにnookを発送する予定であると述べていた。だが、Barnes & Nobleは予定を延期し、予約注文した顧客に対し12月11日までには発送できる見通しだと通知した。
同社は11月29日に、店頭での販売または展示が当初の予定より延期することも発表している。その理由について同社は、11月20日までに注文を済ませた顧客に需要の多い259ドルのnookを提供することを優先するためだとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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