ニコニコ実況の取材中(11月25日の12時〜13時)、発売前のROBRO-TVで実際に動くニコニコ実況を見せてもらった。試しにROBRO-TVでNHKにチャンネルを合わせてみると、「生中継 ふるさと一番!『復活!われらが吹田くわい〜大阪府吹田市〜』」という番組が放送されていた。大阪府吹田市のローカルな話題を扱った番組で、「すいたん」という吹田市のイメージキャラクターが登場していたが、あまり興味をひかれなかった。平日昼間のNHKを仕事中に見てもおもしろくないのは当然だ。
それがニコニコ実況のコメントを表示すると一変した。杉本社長も開発担当者も広報担当者も、その場にいる全員が笑いをこらえきれない。地味な番組に、つっこみを入れるコメントが流れるだけで一気におもしろくなった。
「盛り上がる番組は盛り上がって当たり前。すべての番組におもしろくなる可能性が与えられる。それがニコニコの原理ですよね。いま昼の12時35分ですよ? この時間のNHKでこれだけおもしろいというところにニコニコ実況のポテンシャルがある」(杉本氏)
ニワンゴの会議室でニコニコ実況を体験していると、家族や親しい友人とテレビに向かって文句や感想を言いながらついつい見てしまう、そんな感覚を思い出した。
「1人でお笑い番組を見ていて、あはははって笑ったあとってちょっと寂しいですからね。回帰していくと思うんです。みんなで見ることがテレビを見ることの楽しさだったはずなんですよ。でもいまはみんなでテレビを見ることがなくなってるじゃないですか。それが原因でテレビが見られなくなった可能性もなくはない。やっぱり映像ってみんなで見ることによって、臨場感が倍増したり、付加価値が上がったりすると思うんです」
ニコニコ実況のもう1つの狙いは、映像コンテンツが持っている本来のポテンシャルを引き出すことだ。「映像を通じたコミュニケーションを、きっちりと生活の中に溶け込ませていきたい」と杉本氏は語る。
「ニコニコ実況があると、テレビ局の編成で組まれていた映像もすべてライブになると思うんですよ。ライブ感ってすごく大事じゃないですか。でも、だからといって番組そのものを全部ライブにしたらいいかというと、そういうわけではない。某テレビ局はそれで視聴率を落としましたね。要するに制作をライブにするんじゃなくて、“ライブ感を出す”ということなんです」
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