通信機器メーカーのCienaが、Nortel Networksのデータおよび音声トラフィック用の伝送機器を開発する部門を落札した。買収額は現金と株式の合計で約7億6900万ドルとなる。
Cienaは、フィンランドのNokiaと独Siemensの合弁会社であるNokia Siemens Networksより高い値をつけた。米国時間11月20日に開始された入札は、Nortelの破産手続きの一環で、同社のメトロイーサネット部門の売却が目的だった。
メトロイーサネットは、いわゆる「バックホールネットワーク」で容量をより多く通信事業者に提供するのに使われる技術だ。これは、消費者や企業に直接サービスを提供する通信キャリアのローカルネットワークと、地域間および全米にトラフィックを伝送するバックボーンネットワークを結ぶネットワークの一部だ。
特にワイヤレス市場でインターネット回線容量に対する需要が高まるに従い、通信事業者はこれらのバックホールネットワークをアップグレードする必要に迫られている。たとえば、ワイヤレス事業者は、より高速な4G技術の実装に向けて動くなか、主要バックホールのアップグレードのサイクルを開始しようとしている。
Nortelは、この市場のリーダーと見なされてきた。また、同社のメトロイーサネット事業はすでに、65カ国に1000を超える顧客を抱えている。顧客の中には、AT&T、Verizon Communications、Comcastなど、米国最大手のサービスプロバイダーも含まれている。
メトロイーサネット事業の前途に大きなチャンスが見込まれながら、最近のNortelの事業は低迷している。2009年第1四半期から同年第3四半期までの同事業部門の売り上げは、前年比で約21%落ち込んだ。この売上減は、Nortelの破産申請と景気後退が原因だった。
Cienaは、Nortelの資産を使って、同技術への将来の需要に乗ずることができればと期待している。Cienaは、メトロイーサネットに取り組むNortelの従業員の約85%を引き続き雇用して、事業が正しい方向を維持できるよう支援する計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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