Nokia Siemens Networksが、Nortel Networksの無線技術事業を6億5000万ドルで買収する。
かつて電気通信機器の業界大手として君臨したNortelは1月、組織再編を期待して、連邦破産法11条の適用を申請した。しかし、その組織再編が実現する可能性は低くなった。
Nokia Siemensは現地時間6月19日、NortelのCDMAおよびLTE技術を利用して、Nokia Siemensの北米での市場シェアを拡大すると述べた。CDMA(符号分割多元接続)は、米国で運用されている2つの主要ネットワークの1つで、Verizon WirelessとSprintが使用している。LTE(ロングタームエボリューション)は、現在のモバイルネットワークを置き換える可能性を秘めた無線技術だ。
「今回の合意によって、Nokia Siemens Networksは経済的に見合ったコストで、北米とLTEという2つの主要分野におけるわれわれの立場を強化できる重要な戦略的機会を得ることができる」とNokia Siemensの最高経営責任者(CEO)であるSimon Beresford-Wylie氏は声明で述べた。
今回の事業売却契約の一環として、米国とカナダ、メキシコ、中国にいる約2500人のNortel従業員は、現在の職を維持することができる。Nortelによれば、これは同社の無線技術事業に携わる全従業員の「かなり大きな割合」に相当するという。
「整理統合が続く世界市場において、われわれは自分たちの企業価値を最大限に高めることを最優先課題にしてきた。これを実現する最善の方法は、可能な限り雇用を維持しつつ、Nortelの革新を前進させることのできる企業に事業を売却することだ、とわれわれは決断した」とNortelのCEOであるMike Zafirovski氏は声明で述べた。
トロントに拠点を置くNortelによると、同社はほかの事業の売却も進めているほか、トロント証券取引所への上場廃止も申請中だという。
第3四半期に手続きが完了する見込みのNokia Siemensとの合意は、米国破産裁判所とオンタリオ州最高裁判所の認可を受ける必要がある。
Nortelは、Northern Electric and Manufacturingとして1895年に設立され、カナダの歴史の浅い電話システムに電気通信機器を供給してきた。約10年ほど前の全盛時には、Nortelは時価総額2500億ドル、従業員数9万人超を誇っていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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