一方で広告代理事業は、市場自体は伸びていますが、労働集約型になりやすく、投資家が思っていたような成果を上げられるような商売ではなかった。そこでメディアをやらなければいけないと考え、「cyberclick!」や「melma!」をはじめ、さまざまな事業を立ち上げてきました。が、どれも小振りで、楽天やヤフーのように象徴的なメディアを抱えていないことにずっとコンプレックスを持っていました。
だからブログが出てきた時に、新たにメディアを作れる可能性を感じ、アメーバというブランドでやりきろうと考えました。アメーバブログを会社の成長戦略の中心に据えたので、なんとしても成功させなければいけませんでした。
みんな早々に駄目な理由を見つけてやめていきましたね。過去の経験から言うと、フリーホームページは全然儲からなかった。あと2ちゃんねるのような大規模な掲示板も大きく収益化できるものではなかった。それと同じようなものにブログも映ったと思います。
でも僕の目にはそう見えていなくて、ある程度の規模のPVを作ればブログも何らかの形で収益化できると思っていました。
単純なコミュニティではなくて、ブログに書いたことでものが売れたり、記事が広がったりするような、そういう人に対する影響力を持っているので、ブログは可能性があると思っていました。
収益化については僕は全然気にしていなかったんですけど、周りでは「赤字続き」とか「黒字化はいつだ」と話題になっていました。でも本当に収益化できると思っていましたよ。
目標とする姿をあえて言わないように決めています。いまあるサービスの延長線上に、ユーザーに使ってもらえるもの、おもしろいものを増やしていき、結果的にできたものがアメーバの目指すものです。
なので、これから始まるサービスや1年後の姿はある程度わかりますが、その先は決めない。むしろ形を自分なりに変えて拡大し続ける、まさにアメーバのようなイメージでメディアを作っていこうと考えています。
我々はPCをベースとしたサービスがメインで、いまはモバイルを一生懸命進めていますが、まだこれからです。状況としては2社とは違います。
ただmixiやモバゲーの戦略は大当たりだと思っています。面白いゲームが上位に来るので、おそらく相当の叡智が結集したサイトになると思います。そうすると我々か、グリーさんかはわからないですが、後発でオープンプラットフォームを提供するにしても、あまり遅れるとソフト面で対抗できない。ただ先発組みの動きもしっかり見てから考える必要があるので、いまは焦っていません。
mixiアプリはあのユーザーインターフェースを見ただけで、「これは流行るわ」と思ったくらいです。実際にmixiアプリのPVが跳ね上がってるように、あの戦略は大当たりですよ。もう同じことをやっても相当出遅れたサービスになってしまいますから、そういう意味ではこの1、2カ月でネット業界は大きく動いたと認識しています。
2010年2月からアメーバピグをFacebookで提供します。2009年前半に「Ninja Trick」というゲームを出し、米国だけですでに20万人くらいのユーザーを集めました。ピグではもっと大きな規模でユーザーを集められるだろうと思っています。
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