国内携帯電話市場はデータ通信が急増、2012年には1億2500万件に--ROA Group予測

 ROA Groupは、調査レポート「市場別の移動体通信市場の予測 日本携帯電話市場の予測(2008年度の分析・2009〜2012年度の市場予測)〜2008年度の分析・2009〜2012年度の市場予測〜」を発刊する。これに合わせ、レポートサマリーとして「移動体通信の予測(2009〜2012年度)」を発表した。

 このレポートは、2008年4月から2009年9月までの間に起きた、国内移動体通信市場の各キャリアのイベントやトピックをカテゴリ別にまとめ、キャリアの動向と特色について分析したもの。また、2012年度までの市場予測も記載している。

 ROA Groupによると、2008年度は復調の兆しが見えてきたNTTドコモと、急成長を遂げたイー・モバイルの動きが目立った年であったという。2009年度も後半に差しかかり、各社の第3.9世代携帯電話(3.9G)導入に向けたビジョンが少しずつ固まりつつあることから、既存技術である3Gや3.5Gサービスと併行しながら、各キャリアが今後どのように新技術へと切り替えていくかに注目が集まっているとしている。

 一方、日本市場はすでに飽和状態といっても過言ではない状況にあり、今後は2台目需要が中心になっていくとのこと。各キャリアによる利用料金の引き下げ合戦が始まっており、音声ARPU(ユーザー1人あたりの月間利用料)は2004年度から2008年度にかけて年平均12%のスピードで下落を続け、キャリアの収益を圧迫する要因となっている。ただ、データ通信の利用が急速に拡大しつつあり、データARPUは年平均6%の勢いで上昇している。

 また、データ通信の利用促進要素として、LTEを含む次世代通信への動きが具体化している点もROA Groupは注目している。NTTドコモは、世界の多くのキャリアが採用すると見られるLTEを2010年12月を目標に商用化する方針。KDDIは出資会社のUQコミュニケーションズを通じて2009年7月よりモバイルWiMAXサービスを開始しており、LTEも2012年より開始する予定だ。

 ソフトバンクモバイルとイー・モバイルも2012年頃をめどにLTEを開始する予定だが、その前段階として導入が比較的容易であるDC-HSDPAというHSPAベースの高速サービスを展開することを表明している。ウィルコムについては2009年10月より次世代PHSサービスを開始している。

 端末に関しては、2008年7月にソフトバンクモバイルがiPhone 3Gを発売したほか、2009年7月にはNTTドコモがAndroid端末を投入するなど、タッチパネル型スマートフォンが急激に普及した。またオープンプラットフォームの端末が広まったことは、既存の垂直統合型モデルに少なからず影響を与え始めたとしている。

 このような状況から、ROA Groupでは2012年度末の移動体通信加入者が1億2500万件に達すると見ている。2005年度から2012年度までの年平均成長率(CAGR)は3.92%になると予測している。

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