NECは11月6日、財務基盤の強化や成長分野に対する戦略的な投資を目的に最大約1300億円の資金を調達することを正式に発表した。
公募増資と第三者割り当て増資により、新たに5億7500万株(現在の発行済株式総数の28.3%)を発行する計画で、これら増資後の発行済株式総数は26億4732万635株になる。公募増資は日本以外に欧州を中心とする海外でも行われる。
公募価格は11月18日〜20日の間に決定するが、これら増資に伴う資金調達額は、総額で最大1339億9800万円になる。この使途としては、クラウドサービス基盤整備のための開発投資に400億円、次世代ネットワーク開発投資に200億円、グリーンテクノロジー分野の設備投資に200億円、そのほか有利子負債の返済に充てるとしている。具体的には、エレクトロンデバイス事業で、2011年4月完了予定のNECおよびNECトーキンのグリーンテクノロジー分野(自動車用リチウム電池)における生産設備で225億円を挙げている。
NECは2009年3月期に最終損失を計上して財務体質が大幅に悪化。グループ全体で「筋肉質の収益構造への転換」を目指す取り組みとして、2010年3月期において対前期比で総額2900億円の固定費削減目標を掲げ、収益構造改革を推進している。
今回の増資では、事前に1500億円の増資を計画していると一部で報じられたが、この日正式に発表された。増資による株価価値の希薄化よりも、報じられたほどの金額ではなかったことや財務体質が強化されることが好感され、11月6日の東京株式市場でNEC株は朝方から買われ、東証一部上場企業の値上がり率でトップ3に入る場面もあった。
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